業者向け中古バイクオークションを開催する株式会社オークネットは、会員店であるバイク販売店などの経営・運営業務を総合的にサポートする様々な各種サービスを提供している。今回の「店舗支援サービスは使い倒せ!」では、同社の中核サービスである中古バイクオークション「i-moto-auc」(アイ・モト・オーク)の利用・参加で、特に車両の仕入れ、落札する会員店向けに提供されるサービスを、さらに会員店自身でも独自で発展させて利用する方法に注目してみた。
すでに全国より多くの販売店がバイクオークションのi-moto-aucを利用しており、オークション参加のための同社が提供する各種サービスの隅々まで知り尽くす会員もいるだろう。しかし、今回はそうしたオークションで提供するサービスを、参加者である会員店がさらに独自で使いこなす方法に注目してみた。
特に、仕入れ・落札を主体とする会員店が利用する、セリ開催前に競り落としたい目ぼしい出品車両の情報を抽出できる「下見マイリスト」は、便利なサービスだ。しかし、「下見マイリスト」の本来のセリ前までの利便性に止まらず、さらに最大限に独自で発展させて活用することもできるとみられる。
「下見マイリスト」の活用は通常、セリ前に競り落としたい出品車両をリストとして留めておく機能だ。実際のセリがスタートし「下見マイリスト」に控えた出品車両を自店もしくは他の会員店が落札した場合は別にして、「下見マイリスト」の車両がセリで、応札が少なく出品サイドが売りたい値に届かないなどで売買が成立せず流札する場合もあるだろう。こうした流札車は、当日のオークションで再度、出品側の値下げにより再出品という形で再度セリにかけられる場合がある。

中古バイクオークション「i-moto-auc」の会員画面
しかし、出品側の意向で当日のオークションで再出品されない場合もあるだろう。こうした車両は、再び開催日を変えて出品される場合が少なくない。しかも希望する最低売値価格も下げて出品される可能性もあることから、こうした流札車情報を自身でリスト化することで、再度出品されたときに競り落としやすくなるだろう。
また、流札車の場合は、次回開催時に出品店が希望額を下げる、スタート価格を調整する、即決価格を変更する、評価点を修正するといったケースが挙げられる。つまり、「前回は高すぎて売れなかった車」を把握しておくことで、次回の“買い時”を狙えるということだ。このような情報が積み上がると、「どこで値が折れるか」が読めるようになるだろう。これは中古バイヤーの重要技術となる。
出品店の“在庫圧力”を読むことも可能だろう。同じ車両が何回も流札する場合、店舗で長期在庫化、資金回転悪化、早期現金化希望などみえる可能性がある。例えば、同一車両番号、同一出品店、3回以上流札
季節外れ車両などを記録しておくことで、「そろそろ折れる」タイミングがみえるだろう。
“本当の市場価格”の把握が可能になる。落札価格だけみていると、「高く売れた成功事例」ばかりが目に入る。しかし、流札情報には裏を返せば「その価格では市場が反応しなかった」という極めて重要な情報となる。つまり、成立価格、流札価格、再出品価格を並べることで、実勢相場がみえるということだ。これは小売価格設定にも有効となる。
さらに、流札車からは、車種ごとの“売れ筋・死に筋”分析の可能だ。流札データを蓄積すると、どの車種が売れにくいか、どの色が弱いか、どの季節に鈍るか、走行距離耐性、カスタム有無が分析できます。これは仕入れの失敗率を下げることもできる。
一方で、流札車では営業活用もでき、実は販売営業にも使える。例えば、ユーザーに「この車両は、前回も流札で価格調整が入っています。今が狙い目です」といった提案できる。また、「このモデルは最近流札が増えており相場下落傾向」なども提案材料になり得るだろう。
ただし、流札情報活用には注意する必要もある。情報鮮度やオークション相場は変動が早い。特に、春需要、円安、輸出台数、新車供給などで変わる。古い流札データはかえって危険となるということだ。同一車かの識別、再出品時に出品店変更、写真変更される場合などがあり、車台番号管理が重要となる。
有効な活用方法としては、最も効果が高いのは「再出品監視リスト」といえるだろう。前回流札して欲しかった価格が合わなかった車両を、「次回以降の監視対象」として管理する。これだけでも仕入れ精度はかなり変わるとみられる。
「下見マイリスト」は、オークション終了後に削除されるため、オークション当日前までに独自で「下見マイリスト」の車両情報をコピーしてExcelファイルに貼り付けて控えておくとよいだろう。ただし落札された車両は削除し、生きた情報にして置くことが重要となる。
流札車情報は「売れなかった情報」ではなく、市場拒否価格や売主心理、在庫圧力、値下げ予兆、相場変化が詰まった重要データとなる。特に継続的に記録することで仕入れ精度向上、相場予測、営業提案などまで発展が可能だ。中古バイク市場では成立価格だけでなく、「流札データをどう読むか」が、利益率の差になりやすい分野といえそうだ。




