株式会社アールエスタイチは、自動車安全システム大手のAutoliv, Inc.(オートリブ)と二輪ライダー向けのウェアラブル保護装備としてエアバッグシステムを内蔵したベストを開発し、協業して市場投入する。オートリブの四輪で培った安全技術を二輪装備へ展開する。
今回開発されたのは、衝突時の重篤な傷害リスク低減を目的としたエアバッグ内蔵型ベスト。アールエスタイチが展開するエアバッグベスト「T-SABE(オートバイ乗車用エアバッグベスト)」として商品化。これまでオートリブは、エアバッグベスト向けに個別コンポーネントを供給してきたが、今回はコンセプト設計からシステム検証までを同社が一貫して担当。アールエスタイチが日本のライダーの使用環境や装着感、走行時の運動性能などを踏まえて製品化することで、実用的なウェアラブル保護システムとして完成させた。
モーターサイクルの事故は動的で予測が難しく、高度な保護機能が求められる。今回のシステムでは、自動車安全分野で蓄積してきた実事故データを基にした安全研究やバイオメカニクスの知見、厳格な検証プロセスを二輪用途に応用したという。
また同システムは、複数のウェアデザインへの組み込みが可能な拡張性の高いプラットフォームとして設計されており、さまざまなライディングスタイルや市場セグメントへの展開を想定している。オートリブが掲げる「モビリティ安全領域の拡張」という戦略とも合致する取り組みだ。
同社の最高技術責任者(CTO)である ファビアン・デュモン 氏は「ライダー装備を設計・製造するパートナーと連携することで、実証済みの安全技術を製品へ組み込み、ライダー保護のレベルをさらに高めることができる」とコメント。
一方、アールエスタイチの代表取締役社長 吉村裕彦氏は「安全を最優先としたライディングギアづくりの理念と、世界の安全標準をリードするオートリブの技術が結びついた。T-SABEは安全性だけでなく快適なライディングを実現する製品」としている。
自動車安全分野の大手サプライヤーが二輪ライダー装備に本格参入することで、エアバッグベスト市場の技術競争や安全装備の高度化が進む可能性があり、今後の動向が注目される。


Autoliv, Inc.は、自動車安全システムをグローバル規模で提供するリーディングカンパニー。グループ各社を通じて、エアバッグ、シートベルト、ステアリングホイールなど、世界中の主要自動車メーカー向け保護システムを開発・製造・販売している。2025年には、同社製品により約4万件の命が守られ、約60万件の負傷を軽減したという。オートリブ日本法人は、1987年に立ち上げ、35年以上もの間、主に日本の完成車メーカー向けに自動車を含めたモビリティの安全ソリューションの開発、製造、販売を行ってきた。日本でのテクニカルセンター、生産工場(筑波事業所・中部事業所・広島事業所)、営業拠点を日本国内に持ち、従業員は約2000人。2024年度の売上高は、1277億1900万円。



