ヤマハ発動機販売は電動スクーター「JOG E」(ジョグ イー=税込価格15万9500円)を12月22日に東京・大阪の地域限定で先行発売する。取り扱い販売店は12月5日に発表する。同機種は50㏄以下の原付一種相当で、交換式バッテリーを採用することで、充電期間を待たずに済む。先行して交換施設のGachacoステーションが設置される地域で販売する。
JOG Eは、動力用電源に交換式バッテリー「Honda Mobile Power Pack e:(モバイルパワーパックイー)」を初めて採用する。走行には交換式バッテリーの利用が必要となる。交換バッテリーはENEOSホールディングスと国内二輪4メーカーによる出資会社Gachaco(ガチャコ)が、交換バッテリーとインフラを提供する。Gachacoが提供する有償のバッテリーシェアリングサービスの契約が必要。現在、バッテリー交換設備のGachacoステーションは、東京都に42カ所、埼玉県が2カ所、大阪府に7カ所が設置されていることから、販売は東京都と大阪府のヤマハEV取扱店のうち、Gachaco取扱店のみに販売を限定する。2026年後半には、バッテリーと充電器をセットにした、通常販売を予定。
同機種の特徴は、日常使いに適した走行性能と航続距離を提供するとしている。後輪はコンパクトなインホイールモーターを採用。パワーコントロールユニットがモーター出力を効率的に制御することで、1充電あたりの走行距離は30km/h定地走行の場合53kmを実現するとしている。Gachacoが提供するバッテリーシェアリングサービスを利用することで、充電にかかる待ち時間がない。


装備も使いやすさを考慮し充実。前後連動ブレーキシステム、LED を採用したランプ類、視認性に配慮したフルデジタルメーター、Honda Mobile Power Pack e:を1個搭載し、小物の収納が可能なシート下スペース、USB Type-A端子に対応した充電ソケットを備えた。500mlペットボトルが収納できるフロントポケットなど、日常使いに便利な装備を備える。
ヤマハはスクーターで築いてきた普遍的なデザイン要素とEVの先進性を融合させた。ライダーとJOG E の視覚的な一体感と、ハンドル操作に合わせてヘッドランプが進む方向を照らしてくれる機能性、車体前から後ろへ流れるサイドラインなど、歴代のヤマハスクーターに共通する人機官能を意識した普遍的なスタイリングとした。リヤのデカールなどで表現されるグラフィカルなバーチカルラインのジオメトリックな組み合わせによる先進性を融合させたとする。カラーリングは、“ダークグレー”と“ライトグレー”の2 色を用意。
同社は2002 年に量産初の電動二輪車「Passol」(パッソル)を国内限定発売している。JOG Eは2025年11 月から50cc 以下の原付バイクに新たな排出ガス規制が適用されることを背景に、電動スクーターの新スタンダードモデルとして企画。ヤマハ発動機は2018年3月より、本田技研から50cc原付スクーターのOEM 供給を受けてきた。両社は2024年8月、多くのニーズに応える電動二輪車を提供していくため、共通仕様の交換式バッテリーHonda Mobile Power Pack e:を動力用電源とする車両のOEM 供給について合意。JOG Eはその第1 号として発売するもの。






