
伊ドゥカティは9月12日、新たなRSシリーズとなる「ディアベルV4 RS」「ムルティストラーダV4 RS」発表した。販売はヨーロッパで納車が、ムルティストラーダV4 RSは今年11月、ディアベルV4 RSは12月よりディーラーで販売する。米国は1ヵ月後、その後数ヵ月以内に全世界へ配車する。日本での発売は来年予定。
発表はイタリア・ミサノ・アドリアティコで開催されたMotoGP第16戦サンマリノGPで、ドゥカティ・レノボ・チームのライダー2人とともに、ミサノ・ワールドサーキット・マルコシモンチェリのピットレーンで披露したもの。
両機種は、その卓越した性能を操るライダーのために設計したモデルで、最高のパフォーマンス、軽量性、スタイルを追求し、究極の一台を求めるライダーに比類なき体験を提供するとしている。シリーズは各ファミリーにおけるスポーツ性能の頂点を極めるモデルとして開発。レーシング・パフォーマンスと最新テクノロジーが特徴という。独自のカラーリングや専用コンポーネント、チタニウムやカーボンファイバーなどの高品質素材により独自性を表現した。
共にデスモセディチ・ストラダーレ・エンジンを搭載し、カーボンファイバーやチタニウム製の専用コンポーネントを備えたシリアルナンバー付きのモデルとなる。搭載する1103ccのエンジンは、デスモドロミック・バルブ駆動システムを採用し、広範囲な出力曲線を実現した。低中回転域ではスムーズな操作性を発揮し、高回転ではスポーティな特性を持たせた。特に低回転域では滑らかなレスポンスを提供する一方で、レッドゾーン付近ではツインパルス点火順序による特徴的な排気音を奏で、加速時には回転数の上昇にともない、レーシーなサウンドを響かせるエンジンに仕上げたとしている。

「ディアベルV4 RS」(左)、「ムルティストラーダV4 RS」(右)
◆ディアベルV4 RS、2.5秒で100km到達
ディアベルシリーズは、常に加速性能に優れたモデルで、V4 RSではその限界をさらに押し広げた。同機種にはMotoGP由来の逆回転クランクシャフトを備えたデスモセディチ・ストラダーレ・エンジンを搭載し、性能を大幅に向上させた。ドラッグスターとしての資質を体現した長く低いボディを備え、ドゥカティの中で最速0~100km/h加速を実現したとしている。182psのデスモV4エンジンと洗練されたエレクトロニクス・パッケージにより、これまで公道走行可能なバイクでは実現しえなかった加速性能を達成したという。
MotoGPライダーのマルク・マルケスの走行によって、わずか2.52秒で0~100km/hの加速が可能であることを実証したとしている。ライディングは力強くスリリングなパワーデリバリーと乾式クラッチを備えたエンジンの特徴的なサウンドによって、他に類を見ないモデルに仕上げた。オーリンズ製サスペンションやアルミニウム製片持ち式スイングアーム、パニガーレV4由来のブレーキシステム、専用設計の鍛造ホイールを採用。低速からスポーティなライディングまで刺激的な体験を提供するとしている。
デザインはチェントロスティーレ・ドゥカティによるエレガントなカラーリングとし、RSのロゴはハンズフリー・イグニッションキーやメーターパネルのグラフィック、リア・シリンダーヘッド・カバーに刻印し、バイクのシリアルナンバーも記した。キーオン時には専用メーターパネル・アニメーションを表示し、ライダーに特別感を提供する仕組みとしている。デザインは完全に刷新しエアインテーク、シングルシート・テールピース、フェンダー、燃料タンク・カバーなどの各部にカーボンファイバー製を採用。この軽量化によりバイクの重量は3kg削減され、スポーティな外観を際立たせながらもシリーズのアイデンティティは継続させた。
◆ムルティストラーダV4 RS、卓越したスポーティさ・洗練性を実現
新型ムルティストラーダV4 RSは、これまでにないスポーティさと洗練性を追求し、ムルティストラーダシリーズの新たな象徴としている。デスモセディチ・ストラダーレ・エンジンやスポーティな走行と快適性を両立するシャシー、最新世代の電子制御システムを搭載させた。ムルティストラーダのライダーから高い評価を受け、V4 RSの成功が現在のRSシリーズ開発のきっかけだという。
180psのV4エンジンや乾式クラッチと組み合わせたデスモドロミック・バルブ駆動システム、アクラポヴィッチ製サイレンサー、オーリンズ製Smart EC 2.0サスペンション、専用の鍛造ホイールを搭載する。これによりムルティストラーダシリーズの特徴であるバランスを維持しながら、圧倒的なパフォーマンスと刺激的なライディング体験を提供するという。
開発では、すべてのコンポーネントと細部を厳選。電子制御システムには、MotoGPで培われたドゥカティ・ビークル・オブザーバー・アルゴリズムを採用し、70のセンサー入力をシミュレートすることでより精密で安全な電子制御を実現したという。シャシーはオーリンズ製のイベントベースのフロントフォークとショックアブソーバーを搭載し、新しいサスペンションや280mmのリヤディスク、コーナリングABSを備えたブレーキシステムを採用することでさらなる進化を遂げたという。リヤサブフレームには超軽量のチタニウムを使用し、トップケースを収容可能なサイズを確保しつつ軽量化を実現した。
デザインは、ムルティストラーダ特有のラインと新しいRSカラーリングを融合させ、エレガントでダイナミックな外観を追求したという。カーボンファイバー製コンポーネントや鍛造ホイール、軽量リチウムイオンバッテリー、専用設計のテクノポリマー製テールフェアリングなどを採用し、ムルティストラーダ・パイクスピークと比較して2kgの軽量化を達成した。シリアルナンバーを刻印したブラックアルマイト仕上げのアルミニウム製プレートをトリプルクランプに装着し、イタリア国旗があしらった。キーオン時には、専用のアニメーションをメーターパネルに表示する仕様とした。さらにムルティストラーダファミリーのすべてのモデルと同様に、安心して長距離走行を楽しむことができるように、ヨーロッパ全域で利用可能な走行距離無制限の4年間保証プログラム「4Ever Multistrada」を提供するという。
【主な標準装備】
ディアベルV4 RS専用カラー
- 1,103cc ドゥカティ・デスモセディチ・ストラダーレ・エンジン、バルブ・クリアランス点検:30,000km毎
- スプリントフィルター製高透過性P08エアフィルター
- チタニウム製エグゾースト・エンドキャップ
- 乾式クラッチ
- ドゥカティ・クイック・シフト(DQS)2.0
- 最高出力 182ps(133.8 kW)@ 11,750rpm
- 最大トルク 120Nm(12.2 kgm)@ 9,500 rpm
- アルミニウム製モノコック/フレームとアルミニウム製片持ち式スイングアーム
- 専用シングルシート、エアインテーク・ダクト、テールフェアリング、2シーター・キットを標準装備
- ボッシュ慣性測定ユニット(IMU)
- カーボンファイバー製コンポーネント
- 48mm径のステムを備えたオーリンズ製フルアジャスタブル NIX30フォーク
- オーリンズ製 STX 46フルアジャスタブル・リア・ショックアブソーバー
- 17インチ鍛造アルミホイール、ピレリ製ディアブロ・ロッソ4タイヤ、フロント 120/70 ZR17、リア 240/45 ZR17
- ボッシュ/ブレンボ製10.3ME コーナリングABSブレーキシステム
- 330mm径フロント・ダブルディスク、ブレンボ製Stylema® 4ピストン・ラジアル・キャリパー
- デイタイム・ランニングライト(DRL)およびドゥカティ・コーナリング・ライト(DCL)付きフルLEDヘッドライト
- カラースクリーンと専用グラフィックスおよびディスプレイを備えた5インチTFTメーターパネル
- レーザー刻印された「RS」ロゴ付き専用ハンズフリー・キー
- 3つのパワーモード(ハイ、ミディアム、ロー)
- 4つのライディングモード(レース、スポーツ、ツーリング、ウェット、レース)
ドゥカティ・ウィリー・コントロール(DWC)
- ドゥカティ・トラクション・コントロール(DTC)
- リチウムイオンバッテリー
- ハンズフリー・スタート・システム
- ターン・バイ・ターン・ナビゲーション・システム
- USBポート
ムルティトラーダV4 RS専用カラー
- 1,103cc ドゥカティ・デスモセディチ・ストラダーレ・エンジン、バルブ・クリアランス点検:30,000km毎
- 乾式クラッチ
- アルミニウム製モノコック/フレームとアルミニウム製片持ち式スイングアーム
- チタニウム製リヤサブフレーム
- カーボンファイバー製コンポーネント
- 改良されたストラテジーを備えたオーリンズ製セミアクティブSmart EC 2.0イベントベース電子制御式サスペンション
- 新しい17インチ・マルケジーニ製鍛造アルミホイール、ピレリ製ディアブロ・ロッソ4タイヤ、フロント 120/70 ZR17、リア 190/55 ZR17
- ボッシュ/ブレンボ製10.3ME コーナリングABSブレーキシステム、フロント・トゥ・リア・ストラテジー
- 330mm径フロント・ダブルディスク、ブレンボ製Stylema® 4ピストン・ラジアルマウントキャリパー
- デイタイム・ランニングライト(DRL)およびドゥカティ・コーナリング・ライト(DCL)付きフルLEDヘッドライト
- カラースクリーンと専用グラフィックスおよびディスプレイを備えた6.5インチTFTメーターパネル
- ボッシュ慣性測定ユニット(IMU)
- ドゥカティ・ビークル・オブザーバー(DVO)
- 4つのパワーモード(フル、ハイ、ミディアム、ロー)
- 5つのライディングモード(レース、スポーツ、ツーリング、アーバン、ウェット)
- フロントおよびリア・レーダー・テクノロジー(アダプティブ・クルーズコントロールおよびブラインドスポット検知機能)
- ドゥカティ・ウィリー・コントロール(DWC)DVO
- ドゥカティ・トラクション・コントロール(DTC)
- エンジン・ブレーキ・コントロール(EBC)
- ハンズフリー・スタート・システム
- 電話、音楽、マップ・ナビゲーション・アプリの操作機能を備えたドゥカティ・コネクト
- ドゥカティ・クイック・シフト(DQS)2.0
- ビークル・ホールド・コントロール(VHC)
- ドゥカティ・ブレーキ・ライト(DBL)EVO