広告掲載について
トップ連載/インタビューバイク業界ウォッチ

ヤマハ発 レーシングカート事業撤退へ  経営資源を集中、コア事業など強化

ヤマハ発 レーシングカート事業撤退へ  経営資源を集中、コア事業など強化

2025.06.20

twitter facebook line
ヤマハ発 レーシングカート事業撤退へ  経営資源を集中、コア事業など強化

ヤマハ発動機は6月18日、2027年12月末でレーシングカート事業から撤退すると発表した。2月に発表した新中期経営計画の基で、既存事業や新たな成長事業へ経営資源を集中させるねらい。

 

同社は1973 年、汎用エンジンを搭載したレーシングカート「レッドアローRC100」を販売したことを機に同事業の展開を始めた。1976 年には初のカート専用エンジンの主力「KT100S」を発売。同時に国際カートコースを有するモータースポーツ体験施設「スポーツランドSUGO」をオープン。関連イベントの開催、レース人材の育成などで約50 年にわたりレーシングカートの普及と発展に取り組んできた。

 

2009年にはカート事業をグループのヤマハモーターパワープロダクツ株式会社(YMPC)へ移管し、2023 年にYMPC から株式会社菅生(菅生)へ事業の一部を移管。現在はYMPC がレーシングカート用エンジンの開発・製造、菅生がエンジン・部品等の販売、レース普及、渉外、広報宣伝などを担ってきた。

 

事業撤退に向けた対応は、YMPCが行うカートエンジン製造は2026 年中に終了。菅生でのエンジン販売およびレース・普及活動は、2027年12月末で終了を見込んでいる。現在取り扱い中の部品は一定期間の供給を予定しているとする。

 

同社は、中期経営計画においてポートフォリオ経営の一環でレーシングカート事業撤退を決定。既存事業や新たな成長事業へと経営資源を集中させるねらい。同社は今年2月に発表した2027年までの「新中期経営計画」として、主力の二輪とマリンの「コア事業」と、「戦略事業」としての産業用などのロボティックスとスマートパワービークルのSPV、ランドビークルやゴルフカーのOLVの各事業とし、コア事業と戦略事業に経営資源の集中させ強化を図るねらい。

 

これにより中期計画で掲げる売上高3.1兆円、年平均の成長率7%とし、売上高営業利益率のROSは3年平均で9%以上、自己資本利益率のROEが14%、投下資本利益率のROICは8%、そして総資産利益率のROAでは9%を目指す。同社では、この事業の撤退による連結業績への影響は軽微としている。

 

twitter facebook line