AJ東京(東京オートバイ協同組合)は2月22日、「第31回通常総会」を開き、すべての議案で可決した。このうち任期満了による役員改選の件ではそれまで理事長であった野間健児氏に代わって、中澤吉浩氏が理事長に就く人事とし、若返りを図った。
AJ東京は地域のバイクユーザーの環境改善に向けて活動する二輪車販売店組織で、二輪車の健全な普及、交通安全などに寄与するほか、行政などへ二輪車駐車所施設の設置やETC関連の助成金、高速道路料金の減額などへの改善に取り組んでいる。
総会では全組合員数116人の内、委任状を含めて91人が出席する中で議案審議が行われた。議案の令和4年度事業および収支決算の報告、令和5年度の事業計画および収支予算などのすべての議案で可決した。
議案の令和4年1月から12月までの事業報告では昨年、同組合と東京都は「電動二輪車の普及促進に関わる連携・協力に関する協定」を締結した。小池百合子・都知事からは「EVバイクの一層の普及をされるため身近な場所での購入およびメンテナンスができる販売店の協力が必要であり、都内のオートバイ販売店で構成されるAJ東京と協定を結び連携していきたい」との要請、宣言を受けたとした。これに対し同組合としても、今後、東京都と連携してEVバイクおよびバッテリーのシェアリングサービスに取り組んでいくとした。
また、引き続き都内の二輪車駐車場建設促進などの要望書を、都議会公明党や都民ファーストの会、東京都議会団、東京都議会自由民主党に提出。さらに、都内の市区での自転車条例を調査し、その対象としている自転車や原付一種までとしている市区に対し、自動二輪車(251㏄以上の小型二輪車)までを駐車可能にできるように要望した。
要望により江東区では2021年に条例改正が実現し、これを機に他の市区についても地道に駐車場に関して取り組むとした。昨年は板橋区議会、杉並区議会、渋谷区議会に二輪車の駐車場増設や中古車の軽自動車税免除を中心に要望書を提出。今年度はさらに訪問地区を増やしていくことを盛り込んだ。
また、決算報告では利益を上げ利益剰余金を積み上げる黒字決算とした。
今年度の事業計画で主に目立ったところでは、斡旋事業のクレジットの予想取扱高を10億円とするほか、今年は組合員の有償運送許可を継続するための研修会を年2回開催する予定で、今後は7、8月頃に開催を予定。東京都と連携してEVバイクおよびバッテリーのシェアリングサービスに取り組んでいくことなどを決めた。
定款の一部変更の件では、役員に関してそれまでの監事1人または2人であったのを、2人または3人とした。
役員の変更は、それまで副理事長であった中澤吉浩氏が理事長に選ばれ、新たに副理事長に清野勇作氏が昇格した。新たな理事では小藤大輔氏が選ばれ、監事であった田村知徳氏が理事に就いた。また、監事は1人増え3人とし理事長であった野間健児氏と理事であった渡邊政夫氏に加え、新たに坂尾圭氏が就いた。
他方、今総会には東京都中小企業団体中央会の三原浩造・事務局長、AJ全国の大村直幸・会長、関東地区の各AJ役員らが来賓として出席。三原・事務局長と大村・会長は来賓のあいさつで、組合や組合活動、中澤・新理事長に励ましのことばを述べた。
また、総会終了後は3年ぶりに懇親会を開いた。懇親会には山口那津男・議員、北側一雄・議員、赤池誠章・議員、石井章・議員の代理で茨城県取手市の石井めぐみ・議員ら多くの議員が駆けつけた。
役員体制は以下の通り
▽理事長=中澤吉浩▽副理事長=小川功、清野勇作▽理事=足立幸司、増子哲一、浅野公一郎、田村知徳、小藤大輔▽専務理事=渡辺均▽監事=野間健児、渡邊政夫、坂尾圭
◆中澤・新理事長あいさつ
審議の可決後、あいさつに立った中澤・新理事長は「四代目の理事長となり、非常に重責を担った」として緊張感していると述べた。「販売店の代表として、いろいろなことで進んでいけたらと思う」と述べた。
事業計画の取り組みでは主に3つを挙げ、一つは、組合員間での情報共有を挙げた。理事会が組合の代表として、販売店の声を聴いて活動していく考えを強調。新型コロナ前には理事が積極的に組合員を訪問して意見を聴いていきたいとした。しかし、新型コロナで約3年滞っていたが、今年から積極的に訪問する考えを述べた。
2つ目は、二輪車利用の改善としてAJ全国と歩みを合わせて進めていきたいとした。中でも原付車の課題について、大きい市場である東京としての役割があるのではないかとして、全国に影響力のある東京としての積極的な活動への意向を示した。
3つ目は、東京都が挙げる2035年に向け、販売されるすべての二輪車を電動化にすることに関して挙げた。ただ、具体的な内容についてはまだ明確ではないとしながらも、昨年より毎月の様に意見交換を行っているなどと明かした。また、実際にすべての販売車両が電動化になった場合については、将来、どの様な状況になるのか明確に見通せず、懸念もうかがわせることばを述べた。従って「いち早く情報を収集し商売につながるようにしたい」などと電動化への対応を述べた。
最後に中澤新理事長は、「いち販売店、いち組合員として、その中の代表として積極的に取り組んでいきたい」とした。さらに「何ができるのかは、お約束はできません。ただし一生懸命やることについてはお約束できます」と強い決意と姿勢のことばを述べた。また、組合員へ協力を呼びかけた。