千葉県のオートバイ販売店組織であるAJ千葉(千葉オートバイ事業協同組合)は11月28日、「第19回通常総会」を県内のホテルで開き、新理事長に平野信也氏(バイクサービス木更津)の再任を決めた。総会の審議ではすべての議案が可決された。同AJは地域のバイクユーザーの環境改善に向けて活動する販売店組織で、千葉県内の公共施設での駐輪場開設や高速道路料金の減額などに取り組んでいる。
総会では組合員数75人、委任状含む59人の参加の中で行われた。審議にあたり土居光夫・理事長は、あいさつに立ち「本来であれば組合員数75で、総会には多くの組合員様にご参加していただきたかったのですが、コロナがまた増えつつあり、少ない人数ではありますが総会を開催させていただきたい」などと述べた。
議案審議では事業報告と収支決算報告、令和4年度事業計画書と収支予算、賦課金および賦課金徴収方法決定の件、借入金残高の最高限度額、任期満了に伴う役員改選について審議が行われた。この結果、満場一致で可決された。このうち収支決算では当期純利益を黒字とし、前期繰越金を合わせて増益であった。
また、任期満了にともなう役員改選では理事10人、監事1人の選出を行った。この結果、理事長には平野信也氏が選ばれ再任。平野氏はこれまでの木皿氏、土居氏の前に過去2期4年間、理事長を務めてきた経験を持ち、10年ぶりの返り咲きとなる。
理事長に再任した平野氏は就任のあいさつに立ち「約10年前に理事長を務め、今回10年ぶりに理事長になった。今回は立候補という形で理事長に就任しました。組合も来期で20年を迎え、悔しいことに、何か業界の組合活動並びにメーカーのいろいろな専売店化、車両の電動化など、いろんな問題を抱え組合員は今一つ組合に対して、どういうものを、どういった形で担っているのか見えなくなっており、結束が弱く退会組合員が増えている。私が以前、理事であった当時は80の組合員がいた。もう一度立ち返りたい」などと組織の現状を指摘し、組合員の結束、再建への意向を示した。
さらに「現在専売店化が進み、車両入荷がない。販売ができない。商売にならない。といった声を多く聞きくが、これを逆にしっかり工賃の適正化やいいお客様を確保するなど、しっかりとお客様に来店してもらえるように各店が自立した形での組合員、組合を目指したい」などと考えを述べ、組合員らに今後の協力を呼びかけた。
来賓のあいさつでは、千葉県中小企業団体中央会指導員や千葉県警察本部生活安全部風俗保安課の担当者、そしてAJ会長の大村氏があいさつに立ち、励ましやエールの贈ることばを述べた。
この中で大村会長は、昨今のETC車載器購入の助成金24万台の延長やETC1.0車載器を助成対象にしたこと、高速道路のツーリングプラン、沖縄県のオートバイ左車線走行の異例な通行帯などでAJが各党のオートバイ議連や行政への働きかけを取り上げた。
他方「三重が来年2月に設立総会が行われ、滋賀でも新たにはAJ京都と連合での方向へ」などと各地で組合設立の状況を挙げた。このほかにも四国での設立が進んでいることなど、これまでのAJ活動、存在意義などを説明して支援をしている状況を報告した。
来年は有償運送更新の講習の年。また、オートバイの電動化についての対応では「いま国民の足として大事な新しい基準、規格について取り組んでいる」として、原付一・二種でのエンジン車の規格の変更への取り組みを強調した。
総会閉会後は、当サイトのオートバイ流通新聞により、「コロナで販売環境は急加速!バイク店の将来は⁉」をテーマに講演会と懇親会を開いた。
懇親会で再びあいさつに立った平野新理事長は、メーカーによる専売化や車両不足など厳しい販売状況にあるが、一方は「市場が縮小傾向にあるものの、価格競争がなくなり収益を上げられる状況でもある。昨今ようやく黒字化したという販売店の声を聞いた」などとプラス面を強調。価格が正常化し、ユーザーも価格への認識が浸透していること、アフターサービスの定期的な提供などで商売が続けられるほか、ユーザーも購入のほかに利用といった新たなサービスを提供するなど、収益への機会を取り上げた。
また、来賓では秋本真利・議員、臼井正一・議員、石井章・議員の代理で渡部純一氏、中村秀明・議員らが駆けつけ、それぞれ励ましのことばを述べ会場を盛り上げるあいさつを行った。
◆新役員
理事長=平野信也(バイクサービス木更津)、副理事長=秋山桂一(秋山サイクル)、亀田真靖(オートプラザカメ)、専務理事=歌代徹(ライダースショップウタシロ)、理事=土居光夫(エムディーモーターサイクルス)、宮内治朗(モトプラザ)、高橋勝(スポーツアイランドマルタ)、安藤慶次郎(禅騨木輪業)、熱田薫(モトヤードアツタ)、江澤旭(バイクショップエザワ)、監事=大淵充(ライトスタッフ)