6月、51~125㏄の原付二種に続き、251㏄以上の小型二輪の出荷が大幅に増えた。自工会(日本自動車工業会)がまとめた6月の国内「新車出荷台数」の全体は前年同月を超え、前の月の5月に比べても増加した。原付二種が6ヵ月連続して前年月を超え、小型二輪では突出した台数であった。
新車出荷台数はメーカーの生産工場から出荷した台数で、50㏄以下の原付一種から251㏄以上の大型二輪車である小型二輪までの、全クラスを通して一つの指標で流通台数として確認できる唯一のデータ。さらにオートバイ業界全体に大きく影響するため、関係企業や担当者らが注目する重要な指標の一つとなっている。
6月の全排気量クラスの合計は、前年同月の2万9200台に比べ8.5%増加の3万1693台であった。前月5月の2万8355台に比べても11.8%増、約3300台の増加となる。
排気量クラス別では、50㏄以下の「原付一種」が前年同月に比べ35.9%減少の6637台であった。前月の5月の6760台に比べ1.8%の減少となる。同クラスは昨年9月よりこれで10ヵ月連続の前年月割れとなる。1月から6月までの累計台数では、前年同期比27.7%減少4万7810台にとどまる。
51~125㏄の「原付二種」は、前年同月に比べ53.1%で大幅な増加とで1万1403台であった。前月の5月の1万1166台に比べ2.1%の増加となる。昨年の同クラスの出荷台数は生産が滞った影響で伸び悩んだことも挙げられ、今年は1月から前年月を連続して超えている。1月から6月までの累計台数では、前年同期比で55.9%の増加で7万7656台となる、1月から50%超え維持している。
126~250㏄クラスの「軽二輪車」は前年同月に比べ8.4%減少し6168台であった。前月5月の6205台に比べると0.6%少なかった。6月までの累計台数では、前年同期比8.3%少ない3万1395台となる。同クラスは5月を除いた他の月では前年月割れが続いているが、累計台数では前年レベルに近づきつつあり後半の動向に注目される。
251㏄以上の6月の「小型二輪車」は、前年月比で今年最も増加した。6月は前年同月に比べ60.3%の増加で7485台であった。前月の5月の4224台に比べても77.2%の増加となる。6月は今年最も多い台数と増加率となる。1月からの累計台数では、前年同期に比べ10.8%少なく3万0728台となる。
オートバイ流通新聞では6月の出荷状況を見て、全クラスの合計は前年月を超えたが、排気量クラスによる増減に注目すると、特に原付二種の出荷台数が昨年の10月以降でほぼ毎月1万台を超えており、すでに流通段階で車種によっては在庫が積まれ始めている。特に同クラスの生産は海外が少なくないことから、輸送時間を含めると3、4カ月以上前には生産される場合が多い。車両販売店ではすでに一部車種の在庫がたまり定価販売が維持できない状態とも聞く。
同様に6月に大幅に増加した小型二輪は、5月までほぼ前年月を割ってきた月が多かったが、年後半の今後の出荷は増える傾向にあると推測する。各メーカーは同クラスの多くの車種については国内生産が比較的に多く、経済産業省の統計をみると昨年7月以降から今年4月までの二輪車エンジンの国内生産基数は、9カ月連続で前年月を超えていることが挙げられる。ただし、エンジン生産数が完成車となり、国内市場にすべて出荷されるとはいえない。