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23年度「二輪車市場動向調査」より④  自工会   購入形態は「増車」やや増、「代替」減少

23年度「二輪車市場動向調査」より④  自工会   購入形態は「増車」やや増、「代替」減少

2024.06.24

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23年度「二輪車市場動向調査」より④  自工会   購入形態は「増車」やや増、「代替」減少

自工会(日本自動車工業会)が公表する2023年度の「二輪車市場動向調査」では、二輪車販売店へのユーザー意識、ユーザーのバイクライフや思考の分析、EV二輪車に対する意識、ニーズの3項目の調査を実施。今回は需要構造の変化、購入形態についての調査結果を取り上げた。

 

調査は2022年6月~2023年5月の期間、国産と輸入車の新車購入者で年齢は10~70代の男女を対象に、郵送とウェブ調査を実施されたもの。有効回答4415件のサンプルをまとめた。このうち輸入車のサンプルは139件となる。

 

需要構造の変化や購入形態については、オンロードユーザーの購入パターンは「新規」「買い増し」「再購入」と多様であった。このうち購入形態では、全体で「代替」(買い替え+複数所有買い替え)52%、「再購入」が19%、「買い増し」では16%、「新規購入」は12%の順であった。

 

ユーザー属性別では「買い替え」は女性50代以上、低所得層。「複数所有買い替え」は男性60代、「買い増し」は高所得層。「再購入」は男性中年層。「新規」は若年層が多い結果であった。購入二輪車別では、「オンロードユーザー」は新規、買い増し、再購入が多く、「スクーター」は買い替えが多かった。

 

次に、購入形態の変化とタイプ別、排気量別については、購入形態は「増車」がやや増え、「代替」が減少した。購入形態の時系列では、「増車」が増え、「代替」(買い替え)が減少しており、需要構造にやや変化が見られたとする。

 

タイプ別では、オフロードを除き「増車」が増加しているが、特にビジネスで増加した。排気量別では、401㏄~で「増車」が増加した。「代替」はオフロードで増加しているが、他のタイプで減少した。

 

 

 

 

 

 

 

 

「新規」ユーザーの購入理由については、「趣味として楽しみたい」「身軽に動ける」「行動範囲の拡大」がの順で上位となる。全体では「二輪車を趣味として楽しみたい」「身軽に動ける」「行動範囲が広くなる」が高く、購入二輪車別ではスクーターが「移動の時間短縮」などが高く、オンロードやオフロード軽二輪は「趣味として楽しみたい」「二輪車に憧れていた」「趣味を楽しむことに適していた」「二輪はカッコいい」の割合が高かった。

 

このうち男性は「趣味として楽しみたい」が最も高く、女性は「行動範囲が広くなる」など実用的な理由が全般的に割合が高くなっている。コロナ禍を経て趣味として楽しむことを目的に、新規で二輪車を購入したユーザーの存在が確認できるとしている。

 

買い替えユーザーの直前使用車では、スクーター125cc以下とオンロード軽二輪以上では直前使用車の使用年数がやや増加した。直前使用車の「使用年数」は5.8年と全体では前回と比べ微増で、スクーターの125cc以下とオンロード軽二輪以上でやや増加した。直前使用車の「処分方法」に大きな変化はなく「下取り」「廃車」が上位で合わせて7割以上であった。

 

買い替えユーザーの購入検討時期については、オンロードユーザーの買い替え検討時期は「3ヵ月以上前が中心」となる。買い替えユーザーの買い替え検討時期は4割が「購入1カ月前」。オンロードでは1カ月前は少なく、「3カ月以上前」が多いかった。「1カ月前」はスクーター原付第一種とビジネスの原付第一種で6割程度、スクーター原付第二種が4割であるのに対し、他は2割程度とタイプ・排気量で検討時期に差が見られるという。

 

買い替えまでの間隔は「変わらない」が34%と最も多いが、「長くなっている」も33%と同程度の割合。長くなった理由はビジネスでは「耐久性」、オンロードは「愛着があった」「古い車でも平気で乗れるようになった」とする割合が高かった。

 

買い替えユーザーの直前使用車と買い替え理由については、買い替え理由はオンロードとオフロードは「購入車が魅力的だった」こと、より大きな排気量、違ったタイプへの志向、加えてオンロードでは欲しいと思う新製品の発売が主な理由であった。オフロード購入者の直前使用車のタイプは「オンロード」が56%と「オフロード」の33%より高かった。買い替え理由は「以前の二輪車の調子が悪くなった」が最も高く、次いで「今回買った二輪車が魅力的」の順となる。

 

オンロードとオフロードは「今回買った二輪車が魅力的」「以前の二輪車より大きな排気量に乗りたかった」「以前と違うタイプに乗りたかった」が高かった。加えてオンロードは「欲しいと思う新製品がでた」も高い結果となった。スクーターとサイズの移行なし層は「以前の二輪車が調子悪くなった」「修理代が高くつく」の割合が高い結果となった。

 

買い増しユーザーの検討時期と併有パターンとしては、オンロード大排気量ユーザーの買い増し検討時期は「半年以上前」が目立った。買い増しユーザーの購入検討時期は全体の2割が「購入1ヵ月前」。排気量が大きくなるにともない早くなる傾向といている。

 

買い増し理由の複数回答では「違ったタイプにも乗りたかった」が最も割合が高く、次いで「違った排気量にも乗りたかった」「二輪車を趣味として楽しみたい」が3割以上と高い。単数回答ではこれら3項目のほかに「魅力的なデザインの新型車が発売された」が高いことも特徴となり、増車するユーザーは趣味として楽しむための二輪車への意向の強さがうかがえるという。

 

一時中断・再購入ユーザーの購入検討時期と使用車では、検討時期はオンロードで「半年以上前」が7割を占めた。再購入のための検討時期は全体の約半数が「~3か月前」までであったが、オンロードではそれよりも早期の傾向があり、「半年以上前」が約7割を占めた。

 

保有中断期間が最も長いのはオンロードで「約21年」。他の3タイプも20年近くとあまり変わらない。以前保有車のタイプはオンロードが半数近くを占め最も多く、今回購入車がスクーターやビジネスのユー

ザーも3~4割はオンロードとなっている。また今回購入車が軽二輪以下で「ダウンサイズ率」が高く、かつてオンロードやオフロードに乗っていたリターンライダーがタイプや排気量を変更したことがうかがえる結果であった。

 

一時中断・再購入ユーザーの手放した理由と再購入理由については、オンロードとステップアップ層は二輪車を趣味として操る楽しさを求め、経済的・時間的な余裕ができ、かつ新型車の商品要因から再購入しているという。以前使用車を手放した理由は、オンロードは「乗る時間がなくなった」「二輪車にお金をかける経済的な余裕がなくなった」が高く、ステップアップ層では「四輪車を買った」が高かった。

 

 

オンロードとステップアップ層の再購入理由は「二輪車を趣味として楽しみたくなった」「趣味を楽しむことに対して二輪車が適していた」「二輪車は操る楽しさがある」「経済的余裕ができた」「時間に余裕ができた」とともに「気に入った二輪車がでた」「魅力的なデザインの新型車が発売」といった商品の要因も高かった。

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