排気量251㏄超である小型二輪車の国内新車「出荷台数」が順調な推移をみせている。10月の出荷台数(自工会=日本自動車工業会調べ)は、全排気量クラスの合計は前年月比で若干プラスであった。ただ、クラス別では前年同月と比較して増減で明暗が鮮明だ。小型二輪車は9月に続いて秋季ながらも比較的に増加幅が大きく伸びた。1月からの累計台数も前年同期超えを継続する。
出荷台数は、メーカーの生産工場から出荷した台数で、50㏄以下の原付車から251㏄以上の小型二輪車まで、全クラスを通して一つの指標で流通台数が把握できる唯一のデータとして、バイク業界の関係者らが注目する重要な指標の一つとなっている。
10月の排気量クラス全体の合計では、前年同月に比べ0.8%の増加に転じ3万2078台であった。前月の9月では前年月を割ったが、10月で盛り返した。1~10月までの累計台数では、9月に続き5ヵ月連続で前年同期割れとなり、5.1%減少となる30万2942となる。
排気量クラス別では、50㏄以下の「原付一種」は前年同月に比べ11.2%減少の1万0923台であった。前月の9月の1万1058台に比べて1.3%減少となる。原付一種の10月までの累計台数では、前年同期に比べ4.8%増加で10万9618台となった。同クラスでの累計台数では今年2月以降で前年同期超えを維持している。
51~125㏄の「原付二種」の10月は前年同月に比べ大幅プラスの38.3%増加して1万1845台であった。前月の9月の8881台と比較でも33.3%増えた。ただ、10月までの累計台数では、今年の年頭より10カ月連続で平均にすると20%を超えるマイナス状況が続いており、同期比では24.3%減少の8万2791台にとどまる。
126~250㏄クラスの「軽二輪車」の10月は前年同月に比べ55.5%との大幅減少となり2865台であった。軽二輪車は4ヵ月連続の前年月割れとなる。前月の9月の3839台に比べると25.4%減少となる。10月までの累計台数では、前年同期に比べ13。7%減少と減少幅が広がり、4万9548台にとどまる。
一方、251㏄以上の「小型二輪車」は、前年同月に比べ42.9%増加となり6445台であった。ただ、小型二輪車は前月の9月の8522台に比べると24.4%減少した。10月までの累計台数では、8月以降20%増を保ち前年同期比27.5%増加となる6万0985台となった。
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原付車や軽二輪は特に生産遅延が続くのに加え、11月からの排ガス規制により生産を中止モデルや、海外生産の比率が高く、輸送費の高騰、為替相場では円安が続いていることも、集荷に影響したといえそうだ。
他方、本オートバイ流通新聞では、10月の時点で「年間出荷台数」を取り上げ、今年2022年の年間出荷台数は昨年の37万8720台を割り込み、36万台強にとどまるとの予想取り上げた。残る2ヵ月間の11,12月では、ほぼ10月の台数を超えていないことから2カ月平均で多く見込んでも3万台と予想していることから、前年比で約5.0%強の減少で36万台強と推測する。
特に小型二輪車が今年年間で7万台を超える勢いで、7万台超えが実現すれば1998年の7万5329台以来で24年ぶりとなる。