
カワサキモータースジャパン(KMJ)は、胸部プロテクターとジャケットなどを組み合わせた「セーフティパッケージ」の期間限定販売をはじめる。プロテクターと用品のセット販売は珍しい。警視庁が昨年調べた胸部プロテクターの装着率は前年よりも増加したとしているが、装着率は10%に満たない。同社のセット販売が定着することで、ライダーの事故死亡をなくし安全が高まることに期待したい。
同社では胸部プロテクターと対象ジャケット、カワサキプラザのアパレルグッズをセットにした「セーフティパッケージ」を、全国のカワサキプラザで9月1日~11月3日までの期間に販売する。すべてのライダーに安全性と快適性を兼ね備えたアイテムで、自分らしいモーターサイクルライフを楽しんでもらうための機会を用意したという。
胸部プロテクターの必要性が叫ばれて、すでに10年以上が経過する。ただ、ライダーが胸部プロテクターを身に着けてバイクに乗車するライダーがどれだけ普及しているのか。実態としては、普及がまだまだ進んでいるとはいえないようだ。
昨年9月20日に警視庁が胸部プロテクターの着用状況についての調査結果を公表した。調査は2024年7月~8月にかけて、各警察署における街頭活動を通じて二輪車利用者から聞き取り調査を実施。調査対象は3369人。
2024年の調査結果によると、胸部プロテクター着用率は9.8%であった。前年から0.6ポイント増加したとしている。胸部プロテクターを着用しない理由としては、2023年と同様に「着用が面倒」が最も多かった。また「プロテクターを知らない」の割合は1.7ポイント減少したことが分かった。

警視庁ホームページより

警視庁ホームページより
警視庁では、胸部プロテクターの装着を呼びかけている。四輪車と異なり、二輪車はライダー自身を守る装備が必要としており、二輪車乗車中の事故死者の損傷主部位は、頭部に次いで多いのが胸部と腹部で、重大事故を防ぐためにはこれらを保護することが重要と指摘する。
さらに、胸部プロテクターを着用しない理由として、「面倒だから」とか「値段が高いから」という回答が多くなっているが、ライダーの命を守る装備の方が大切ではないかと問いかける。現在は、簡単に装着できるタイプや手頃な価格の物など、さまざまなタイプの胸部プロテクターがあるため是非着用しようと強調する。
KMJが展開する「セーフティパッケージ」は、ライダーにまずは買ってもらうための「買いやすさ」を提供する機会となる。こうした買いやすさが広がることで、ライダーの安全性も一層高まるのではないか。