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原付車の車両区分見直しへ  警察庁   普通自免許で50㏄出力レベルの125㏄乗車可能へ

原付車の車両区分見直しへ  警察庁   普通自免許で50㏄出力レベルの125㏄乗車可能へ

2023.12.21

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原付車の車両区分見直しへ  警察庁   普通自免許で50㏄出力レベルの125㏄乗車可能へ

普通自動車免許で、排気量50ccレベルに最高出力を抑えた125㏄の車両に乗れることが決まった。警察庁は12月21日、排気量125㏄以下の原付車一・二種の「区分見直し」検討会を9月より行ってきたもので、この結果、運転特性は現行原付車(原付一種)と、出力を抑えた51~125㏄の原付二種の「新基準原付車」とほぼ同等と評価したもの。

 

現在の原付免許は普通自動車免許に附帯され多くの者が50㏄以下の原付一種に乗ることができる。警察庁は9月7日より、125㏄以下の原付車一・二種の「区分見直し」しに関する有識者検討会行ってきた。

 

検討会では、排気量125cc以下の二輪車の「最高出力」を、現行の50㏄以下の原付一種と同等レベルの4kW以下に制御した二輪車(新基準原付) を、原付免許で運転できるか否か区分することに関し検討。内容は車両の走行評価や関係者からのヒアリングなどを通じて、その安全性や運転の容易性などを重点に3回にわたり検討してきたもの。

 

検討会の結果、最高出力を制御した新基準原付は、加速度が抑えられることなどで、現行の原付と同程度に容易かつ安全に運転することができるため、両者を同じ運転免許区分とし、あわせて同じ車両区分とすることが適当とした。

 

これにより実質、原付免許や普通自動車免許以上の免許保持者は、大型二輪や普通二輪の免許を持っていなくても、現在の50㏄レベルの出力に抑えられた125㏄に乗ることができるようになる。

 

ただし、車両の最高出力を制御する機構が不正に改造されないよう、汎用の工具では出力制御部のカバーを取り外し改造できないような特殊な構造にしたり、電子的な制御と組み合わせたりといった不正改造防止措置を講ずる必要があるとした。

 

また、完成車状態でも最高出力が測定できるように、関係団体で検討を行うことを挙げている。現在の排気量125㏄の原付二種と50㏄レベルの4kwに出力を抑えた新基準原付との区別、251㏄以上の小型自動二輪車との区別がつくように、外見上の識別性を確保する必要があるとしている。

 

二輪車業界側へは、出力を制御していない小型自動二輪車までも原付免許で運転できるようになったとの誤解が生じないよう、周知に努める必要があることを挙げた。

 

現在の50㏄以下の原付車は、大気環境保護と国際基準調和の観点から2025年11月以降に製作される総排気量50cc以下で設計最高速度が50km/hを超える原付に対して、新たな排ガス規制の適用が開始されている。

 

これに対し車両メーカーは規制をクリアする現在の50㏄以下の原付車の開発は困難、かつ、開発費用に見合う事業性の見通しが立たず、今後、取得が容易な原付免許で運転できる総排気量50cc以下の現行区分に該当する原付の生産・販売の継続が困難となっている。

 

一方、現行の原付車は2022年7月時点で、全国で約450万台が利用され、若者から高齢者まで幅広く、通勤や通学、買い物、仕事などと用途は多義にわたり、国民生活に密着している車両となっている。こうした状況を踏まえ、2022年4月にAJ全国(オートバイ協同組合連合会)、日本自動車工業会から現行の50㏄以下の原付一種と、同等レベルに制御することにより原付免許で運転できる車両と区分できるかについて検討を要望していたもの。

 

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