広告掲載について
トップメーカー

住友ゴム 23年度決算 タイヤ売上高、創業以来初の1兆円超え

住友ゴム 23年度決算 タイヤ売上高、創業以来初の1兆円超え

2024.02.17

twitter facebook line
住友ゴム 23年度決算 タイヤ売上高、創業以来初の1兆円超え

住友ゴム工業は2月14日、連結決算を発表し増収・増益であったとした。売上高は前期比7.2%増加の1兆1773億9900万円、事業利益が253.6%増加し776億7000万円、営業利益は330.3%増加の644億9000万円、親会社の所有者に帰属する当期純利益は293.5%増加の370億4800万円であった。タイヤ事業の売上は創業以来初の1兆円を超えた。米ドルは141円、ユーロは152円であった。

 

海上輸送コストは高騰した前期と比べ大きく低下し原材料価格高やエネルギーコスト高も落ち着いたことで、前期比で利益が大幅に改善した。2027年の目標である中期計画の実現に向け、経営基盤の強化を目指すプロジェクトを強化推進したのに加え、顧客ニーズに対応した高機能製品を開発、増販するなど競争力の強化を理由に挙げる。

 

業績を説明する山本悟社長

 

タイヤ事業の業績は、売上高は前期比7.1%増加の1兆0063億8100万円、事業利益が同416.4%増加し635億7200万円であった。国内の新車用タイヤは、半導体不足などによる自動車メーカーの生産成約が下期以降に徐々に解消され、前期よりも大きく増販できた。国内市販用タイヤでは、冬用タイヤの7月からの値上げの影響や暖冬での出荷が低調であったことで、前期から微減となった。

 

海外での市販用タイヤは、中国やインドネシアで減少したが、欧米で増販できたことで全体が前年並みとなった。海外での市販用は、アジア太平洋地域で中国での販売前期を上回ったが、市況低迷の影響を受け低水準にとどまった。インドネシア・アセアンでも市況悪化の傾向が続き、低調な販売で推移し前期を下回った。

 

北米では低採算品の販売を計画的に抑制したことで前期を下回ったが、主力のファンケルブランドが市場で好評を得たことで前期を超えた。南米は海上運賃下落などを背景に、輸入品が増加したが、ほぼ計画通り販売でき前期並みとなった。一方、欧州では長引くインフレにより消費者の購買力が低下し、タイヤ交換率が低調に推移した。

 

2024年の業績予想は、売上高は2023年に比べ2%増加の1兆2000万円、事業利益が同3%増加の800億円、営業利益では0.5%減の610億円、当期純利益は前期比同370億円を見込む。ROE(自己資本利益率)同6.3%から5.7%、ROA(総資産利益率)を前期同の6.2%としている。このうちタイヤの売上高を前期比3%増加の1兆0330億円、事業利益は同5%増加の665億円を見込む。

 

特に北米事業を最優先することや構造改革などで今年はタイヤ事業本部の開設。タイヤでは欧州のインフレの長期化による影響で厳しい予想。ただ、アクティブトレッドタイヤを今年日本で10月に発売し収益化が見込めるほか、オールシーズンタイヤに期待でき空気圧や摩耗から車両故障予知などのセンシングコアタイヤも新車に採用されるなどとしている。

 

twitter facebook line