
伊ドゥカティ社は3月18日、2024年度の業績を発表した。売上高が3年連続で10億ユーロを超えたとしている。売上高は前年比5.8%減少の10億0300万ユーロ(約1624億8600万円)、営業利益(EBIT)は9100万ユーロ(約147億4200万円)で、利益率が前年の10.5%から9.1%であったとした。
2024年は、厳しい競争環境にもかかわらず利益を確保し、モーターサイクル業界におけるドゥカティの強固なポジショニングと収益性を証明するものとなったと、クラウディオ・ドメニカーリCEO(最高経営責任者)は強い競争力を挙げている。また、研究開発、革新的テクノロジー、レースへの参戦に継続的かつ多額の投資を行える強固な財務基盤を有する。一方で、製品構成の独自性と名声を強化し続け、優れた製品にふさわしい高い品質とサービス基準を確保しており、すべてのドゥカティユーザーよりドゥカティブランドは、かつてないほど愛される存在となっているなどとしている。

クラウディオ・ドメニカーリCEO
同社ヘニング・イェンスCFO(最高財務責任者)は、昨年は事業全体が非常に厳しい市場環境に直面し、困難な年であったとした上で、同社は単に販売台数の増加を目指すことよりも、長期的な持続可能性を優先し、全体的な収益性を維持することに重点を置いてきたという。効率のさらなる改善とプレミアム戦略に沿ったものとなっているとする。困難な状況下でも利益を上げ価値を生み出し、強固な財務基盤を構築する能力を示すことができたとしている。
2024年の世界市場でのモーターサイクルの販売台数は、前年の5万8224台に比べ6.4%減少の5万4495台であった。
2025年見通しでは、10車種の新型モデルを公開する。すべてのドゥカティユーザーを満たすことができるように設計し、さらに完成度を高め洗練され、高度な最新技術を搭載した製品で充実させる。
新型モデルではV4グランツーリスモ・エンジンを搭載した新型「XディアベルV4」「ムルティストラーダV4」。デスモセディチ・ストラダーレ・エンジンの最新進化形を搭載した「パニガーレV4」「ストリートファイターV4」、そしてドゥカティ史上最軽量の新V2エンジン搭載の「パニガーレV2」「ストリートファイターV2」「ムルティストラーダV2」としている。
さらに、初のモトクロスモデルを導入し、オフロードの世界にも参入。2025年6月から一部のディーラーで販売し、日本での発売は2025年秋頃の予定。
ドゥカティ・モーター・ホールディングS.p.A.は1926年に設立され、現在はAUDI AGの傘下にある。モーターサイクルに対する類まれな情熱、パワフルなエンジン、独自のデザイン、革新的テクノロジーを開発することを理念に掲げる。モーターサイクルの生産は同本社にあるボルゴ・パニガーレ(イタリア、ボローニャ)の工場で、すべてのドゥカティユーザーの夢を形にし、常に最高水準の品質にこだわりながら、洗練されたエンジニアリングを純粋に表現したモーターサイクルを生産。
レース参戦では2024年に3年連続でMotoGPワールドタイトルを獲得し、全20戦中19戦で優勝するという歴史的な快挙を達成。コンストラクターズタイトルとチームタイトルも獲得した。量産モデルをベースに競うスーパーバイク世界選手権(SBK)では、SBK史上もっとも成功したメーカーとしての地位を確固たるものにし、通算20回目のマニュファクチャラーズタイトルを獲得。さらにスーパースポーツ世界選手権(WSS)では、ドゥカティがライダーおよびマニュファクチャラーズタイトルの2冠に輝いている。
ドゥカティは、MotoGP世界選手権の電動バイククラスであるFIM Enel MotoE World Cupに参戦するマシンを2026年まで製造する唯一の公式サプライヤーでもある。2024年シーズンは、新たにオフロードレースの世界に正式に参入し、イタリアモトクロス選手権に参戦し、デスモ450 MXプロトタイプで初のタイトルを獲得した。