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ライバルは自社の「R1300GS」 BMW Motorrad 「R1300GS Adventure」カンファレンスで

ライバルは自社の「R1300GS」 BMW Motorrad 「R1300GS Adventure」カンファレンスで

2024.11.06

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ライバルは自社の「R1300GS」 BMW Motorrad 「R1300GS Adventure」カンファレンスで

ビー・エム・ダブリューは11月1日、9月に受注販売を始めた、不動のアドベンチャーモデル「R1300GS Adventure」(アドベンチャー)のメディア対象の技術説明を行った。想像を超えて登場したといえる同機種は、BMW最新技術のクラッチレバーを使わずにギアチェンジできるオートメイテッド・シフト・アシスタント(ASA)を装備するな、これまでの1250GSアドベンチャーとは異なりさらに進化し、競合モデルの追随を許さないとしている。同モデルの競合はR1300GSとしており、キャラクターも別物と一線を引く。

R1300GSアドベンチャーの国内初披露は9月7、8日開催のBMW MOTORRAD DAYS JAPAN 2024での会場で行われた。同社モトラッドの佐伯要ジェネラルマネージャーは「ユーザーからも想像以上に、高い信頼と期待が感じられる」として同機種への期待を高めている。その一方で「主力機種といっても、(製品に)甘える部分はない。しっかりと製品をユーザーに伝えていきたい」などと述べ、拡販に向けた姿勢を示した。

 

佐伯ジェネラルマネージャー

 

機種のキャラクターはR1300GSと同アドベンチャーは分けて考える。新技術のASAが注目され、9月の予約販売では「ユーザーからの注文のうち、予想を超えてASA搭載車の台数を受けている」と、ASAがユーザーより早い段階で評価を受けていると、好調な販売状況を明かす。GSアドベンチャーは同社でも最も販売台数が多い機種で、新型への期待は隠せないものとなっている。

発売にあたって同機種の販売についての基礎、コンセプトについて中根知彦マーケティングマネージャーは、GSアドベンチャーは単にR1300GSの派生モデルではないと強調。独自の印象を持つ「ザ・ロック」というイメージが与えられ、「あなたを無敵にする、忠実な相棒」「岩の様に頑強で、越えがたい圧倒的な王者の風格を持った、真のグローブドクター」というコンセプトが、ザ・ロックに込められている。日本では「ザ・ロック」に沿って、広告展開では「大地に轟く伝説。」を掲げ、ユーザーにこれまでのGSアドベンチャーに比べ、革新的な進化、「真の冒険家と一緒に、世界を旅するためにつくられた」という、モデルの側面、ストーリーを伝えていく方針だ。

GSシリーズは1980年に発表したR80GSが起源。当時は革新的な大排気量ボクサーエンジン搭載車としてそれまでは中型の排気量エンジンが支流であったことで、アドベンチャーモデルに新風を吹き込んだとしている。GSシリーズではトラベル・エンデューロという新しいセグメントを構築してきた。ただ順風できたわけではない。最初は苦労の連続を乗り越え進化を繰り返し、このジャンルで君臨。40年を超える時を経て2023年6月にボクサーエンジン搭載の100万台目のGSがベルリン工場で生産されている。

 

中根マーケティングマネージャー

 

ビジネスの観点からも「GSシリーズは大黒柱にある」と同社の重要なモデルと強調する。2022年の販売は世界市場で約6万台を超えた。トラベル・エンデューロとして長距離走行性能を強化したGSアドベンチャーは「日本でもGSシリーズの販売台は販売の平均を上回っている」と好調ぶりを挙げる。

近年、競争が激しいアドベンチャーモデルの市場では「GSは圧倒的な販売台数でトップを維持している」としながらも、同社では単に胡坐をかいていたわけではないとして、本社では、顧客からの意見や数えきれないほどのテストを繰り返し、常に先行して技術を積み重ねてきた」とする。

同機種の開発ではベースのGSとは明確に違いを定義して、これまで以上にアドベンチャーというコンセプトを明確に打ち出し、アドベンチャーのキャラクター、ポジションを設定していくことが開発の段階より重要視されてきたとしている。GSアドベンチャーのライバルは、競合他社モデルではなく「R1300GSこそがライバルといって過言ではない」とするほど、明確に異なったモデル特性を強調する。

大型トラベル・エンデューロの市場は、世界の市場で過去数年間でも非常に安定した販売台数で推移。このセグメントではBMWモトラッドが優勢といえる。ペースセッターというポジションを掲げて、昨年の年末にR1300GSを発表。それまでの弱点をすべて潰し、強みをさらに強化。よりコンパクトでパワフルに進化し、同時にユーザーなどからの関心は次期GSアドベンチャーへの期待に目が向けられたとする。R1300GS発売前に徹底してコンセプトが見直され、R1300GSアドベンチャーに求められているニーズな何か。ウォンツは何かを研究して開発に取り組まれたとする。従って、同機種は1300GSの派生モデルとは異なり「多くの者が新型では想像を超えたモデルであったことだろう」と強調。

R1300GSアドベンチャーでは、スタンダードモデルの「R1300GSアドベンチャーツーリング」と、ASA装備の「R1300GSアドベンチャーツーリングASA」、オフロード装備に特化した「R1300GSアドベンチャーGSスポーツ」3モデル、カラーは全4色で構成される。スポーツ仕様はのみ1色。ツーリング仕様もスポーツ仕様もすべて車高制御機能が搭載され、スポーツ仕様ではより走行性を高めた装備とシート高は20㎜高い。ASAの選択はツーリング仕様のみとなる。

 

 

スペインでのR1300GSアドベンチャーの国際試乗会に参加した鈴木大五郎氏は「身長165cm体格からして大きいイメージがあったが、乗ってみると見た目よりもコンパクトに感じ、R1300GSとは見た目通り乗った印象も全く異なる。これまでのアドベンチャーモデルはオン・オフロードでもフィーリングに大差がなかったが、GS1300アドベンチャーでは、よりアドベンチャーらしく大らかさなどがあり、13000GSとの違いも感じた」と感想を述べている。

ASAではクラッチ操作がないことについては「個人的にはクラッチ操作が好きだが、大きい車両をクラッチ操作により車両を小さく感じられ、低速域でのクラッチ操作で調整することが好きだ」と理由を挙げる。さらに鈴木氏は「機械に負けない操作ができるという人もいるだろうが、私が乗って1時間しないうちにクラッチは要らないかなと感じた。さらにASA機構は自分より操作がもうまいかもしれないと感じた」。ただ、ASAは押し付けじゃなく選択肢の一つとしている。ABSやオートシフターなども使っているうちに利便性が感じられる様に、ASAもそう感じられる様になるだろうと述べている。

特に出だしにスロットルのフィーリングでは「使い勝手が良く、悪路でのスタートやコーナーではスロットルやクラッチなどでは不安だが、ASAでは安心してスタートできる。モードなどでもギアチェンジを適切に変えてくれる。ブレーキを掛けた時も、自分のフィーリングに合わせてシフトダウンしてくれる」などとASAを高く評価。これまでの操作の考え方を、変えるものになっているなどと強調した。

また、同社の平野司テクニカルマネージャーが、装備では補助ヘッドライトにガードがついているもの、ラジエターガードがついているモデル、ボディカーラーにより一部装備が異なる点。タンク横のラッシング・リングによりラジエターカバーバックが装着でき、タンクバックも簡単に脱着可能であるなど特徴を紹介。

さらに、アルミ製のパニアケースの容量を増やせる構造であり、エンジンガードの形状を変更。全車シートヒータ付き、全車でアダプティブ車高調整コンフォート付き、停車中よりも走行中はシート高が20㎜高くなる説明のほか、ASAの操作と作動原理などについて解説した。

 

 

同機種の拡販について佐伯ジェネラルマネージャーは、ユーザーへの試乗機会の提供を重視する。ただ、限られた時間で、限られた短距離での試乗機会の提供では、モデルの特長や良さが伝わらないとした上で、近年、同社が展開する一定期間の試乗車貸し出しを同モデルでも展開する意向だ。佐伯氏は「3日程度で、特長を理解してもらえる試乗機会を提供していきたい」と述べている。

 

 

R1300GSアドベンチャーGSスポーツ

 

R1300GSアドベンチャーツーリングASA

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