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ヤマハ発動機  23年12月期見通し上方修正  第2四半期で利益、過去最高に

ヤマハ発動機  23年12月期見通し上方修正  第2四半期で利益、過去最高に

2023.08.22

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ヤマハ発動機  23年12月期見通し上方修正  第2四半期で利益、過去最高に

ヤマハ発動機は第2四半期の連結累計期間の業績で純利益が初めて1000億円を超えたとした。大型船外機や二輪車の需要が堅調に推移した。原材料の高騰に対し価格転嫁、円安でのプラス効果などで増収、増益となった。

 

 

第2四半期連結累計期間の売上高は前年同期比14.7%増加の1兆2264億円、営業利益が同39.4%増加し1428億円、経常利益では同25.4%増加し1448億円とし、四半期純利益は同26.9%増加の1053億円であった。為替換算レートは米ドル135円、ユーロ146円とした。

 

 

大型船外機や二輪車需要は堅調に推移した。売上高はサプライチェーンの混乱が生じた前年に比べ供給量が改善したことで増収となった。営業利益は販売台数の増加に加え、原材料などコスト高騰に対する価格転嫁の効果拡大により増益となった。円安のプラス効果もあり、売上高、各利益ともに過去最高となった。

 

 

二輪車やレクレーションビークルの四輪バギーなどのランドモビリティ事業の業績は、売上高が前年同期比15.4%増加の7950億円、営業利益は同88.9%増加し694億円であった。「二輪車事業」では、欧米の高い需要に加え、新興国では経済回復が進み、アジアを中心に多くの国で需要が増加した。販売台数増加に加え、価格転嫁の効果拡大や円安によるプラス効果により増益となった。

 

 

「RV事業」(四輪バギー、レクリエーショナル・オフハイウェイ・ビークル、スノーモビル)では、アウトドアレジャーへの支持の落ち着きに伴い出荷が減少したが、前年に新型コロナウイルス感染症拡大で悪化した米国工場の生産効率改善に加え、円安によるプラス効果もあり増収、増益となった。

 

 

SPV事業(電動アシスト自転車、e-Kit、電動車いす)では市場で在庫調整が継続、生産調整を行う一方、上海ロックダウンの影響を大きく受けた前年と比較するとe-Kitの販売台数が増加して増収、増益となった。

 

 

マリン事業は売上高が前年同期比17.1%増加し2998億円、営業利益は同38.0%増加の684億円であった。欧米で大型の船外機の需要は引き続き堅調に推移した。東南アジアや中国では、漁業や観光市場の回復により好調な需要が継続した。

 

 

一方、欧州での販売が減少した影響で、船外機全体の販売台数は減少した。ウォータービークルは強い需要が継続し、米国工場の生産効率が改善し、販売台数が増加。円安によるプラス効果もあり同事業全体で増収、増益なった。

 

 

ロボティクス事業は売上高が前年同期比20.4%減少の460億円、営業利益は同95.3%減少して4億円であった。サーフェスマウンターは先進国で車載、産業機器向けの需要が堅調に推移。スマートフォンやパソコンなどの民生機器向け需要減少の影響を受け中国や台湾、韓国で販売が減少した。半導体後工程装置も、民生機器需要が依然低迷している影響を受け、販売が減少するなど、同事業全体で減収、減益となった。

 

 

金融サービスでは売上高が前年同期比37.4%増加し385億円、営業利益は54.2%減少し43億円となった。販売台数の増加にともない、全地域で販売金融債権が増加し増収となったが、急激な金利上昇の資金調達コストへの影響に加え、債権増加にともなう貸倒引当費用の増加、ブラジルなどでの金利スワップ評価損の発生により減益となった。

 

 

◆通期連結業績の見通し

2023年12月期通期の連結業績予想については、売上高の当初予想比2.0%増加の2兆5000億円、営業利益は同8.7%増加の2500億円、経常利益も同同8.7%増加の2500億円へと上方修正した。ロボティクス事業、SPV事業での市況悪化、アウトドアレジャー需要が落ち着きを見せる一方、原材料価格高騰影響は緩和する見通しを示す。為替換算レートは、当初予想比の10円安で米ドル135円、ユーロも同10円安の145円を前提とする。

 

 

◆日髙祥博・社長のコメント

日高・社長は第2四半期の業績いついて「過去最高の売上高、各利益を達成することができた。コア事業である二輪車とマリン事業において、堅調な需要により販売台数が増加したことが主な要因となり、大幅な増収、増益につながった」と述べている。

 

 

今後展望として「アウトドアレジャー需要が落ち着く一方で、新興国二輪車と大型船外機の需要は堅調に推移する見通し。また、eBike市場では在庫調整が年内継続し、ロボティクス市場の回復も来期にずれ込む見込み」としている。

 

 

一方で「発電機・汎用エンジンなどのパワープロダクツ事業の譲渡契約を締結し、現在、法令上必要な許認可などの取得手続きを進めている。加えてスノーモビル事業およびプール事業からの撤退を発表した。また、連結子会社ヤマハモーターエレクトロニクス株式会社との合併について検討を開始。当社は現中期経営計画においてポートフォリオ経営を進めている」。

 

 

「今後はコア事業や次の成長の種である新規事業の創出・拡大につなげるべく経営資源を集中し、予測困難な経営環境の中でも成長を続けるために、さらなるレジリエンス強化に取り組む」と述べている。

 

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