ヤマハ発動機は2022年12月期の第3四半期連結業績が、前年同期比で増収増益となり過去最高であったとした。売上高は前年同期に比べ23.1%増加の1兆6771億円、営業利益が同12.6%増加し1742億円、経常利益では同18.3%増加祖1900億円であった。第3四半期連結累計期間としては売上高・営業利益・経常利益は過去最高となった。通期の予想では上方修正した。
増収増益について、半導体等電子部品の調達難や新型コロナによるロックダウンの影響があったが、レジャー関連の需要継続で先進国での船外機の販売増加、新興国の経済回復で二輪車販売も前年比で増加したことを挙げる。営業利益は、原材料価格や物流費、人件費が高騰した一方で、コストダウンや価格転嫁を進めたのに加え、円安によるプラスの効果もあり増益となった。
二輪車関連を含むランドモビリティ事業では、売上高は前年同期比23.0%増加し1兆0853億円で、営業利益が同9.3%増え662億円であった。特に二輪車では各市場で経済活動の回復が進み増加。インドや中国、インドネシアなどで増加。一方で原材料価格の高騰、半導体等部品不足が続いたが、代替部品の調達と優先的に高付加価値モデルを生産、価格への転嫁加えて円安によるプラスの効果で増収を後押しした。
RVは販売台数が減少したが、重点モデルの販売が前年を上回り、円安によるプラスの効果もあった。他方、営業利益の面では米国生産拠点における原材料価格や人件費の高騰により減益であった。また、電動アシスト自転車では上海ロックダウンの影響で部品不足、生産遅延で販売台数は減少。足元では改善傾向にありコスト増に対して価格転嫁を進めたが、年当初期のバッテリーリコールに伴う製品保証引当金のを計上で減収、減益となった。
マリン事業では前年同期比31.8%増加し売上高3987億円、営業利益が同30.5%し843億円であった。産業機械などのロボティクスでは売上高は同0.8%減少し878億円、営業利益が同20.9%減少の109億円。金融サービスの売上高は同24.2%増加の446億円、営業利益が同10.0%減少し135億円であった。その他では売上高が同13.2%増加で606億円、営業損失は同9億円が7億円に減った。
為替換算レートは米ドルで前年同期比19円安の128円、ユーロ同6円安の136であった。
2022年12月期通期の連結業績予想では、上方修正し前回予想よりも売上高で700億円多い2兆2700億円とし、営業利益では200億円多く220億円、経常利益でも180億円多い1630憶円とした。損益分岐点を基準に想定よりも経費削減やコストダウン活動が進捗し、コスト高の影響も小さくなるのに加え、為替レートの変更を理由に挙げる。なお、通期の為替換算レートは米ドル132円、ユーロ137円を前提とする。