スズキは社員の能力を最大限に発揮できる環境をさらに整備する。一環として今年4月に新卒初任給を大学卒でこれまでの14.1%の3万1000円引き上げなどを盛り込んだ人事制度に刷新する。
新卒初任給の引き上げでは、若年層からの賃金カーブの立ち上がりを改善。院卒で現行の24万2000円を12.8%上げの27万3000円、大学卒が同22万円から14.1%上げの25万1000円、高校卒では同17万9500円を12%上げて20万1000円にする。また、職務と職能に基づく給与体系を導入し、子育て支援や通勤、国内出向などの各種手当を見直す。
今回実施する制度改革は①職能資格制度の導入②評価制度の見直し③60歳以降の働き方の見直し➃給与・手当・初任給の見直し――を挙げている。
職能資格制度の導入では、各職系・階層ごとの役割と社員一人ひとりの職務遂行に必要な能力要件を明確化した職能資格制度へ移行。各本部の職務で必要とされる知識・スキル・ノウハウ・経験を明示し、職務能力の増強に活用。
評価制度の見直しでは、業績と職務能力の向上は別々に評価し、短期の業績は賞与に職務能力は昇給・昇格に反映させ、挑戦できる環境の醸成を図る。また、能力評価の項目を明示し上司と部下の相互コミュニケーションを通じて職務能力改善。
60歳以降の働き方では、気力・体力・環境に問題がなければ60歳時点の業務と給与を維持する。全社レベルの人材マッチングと再教育による個の職務能力に最適な配置を実現し、60歳以上の従業員が活き活きと働くことができる環境を目指す。
人事制度を刷新について鈴木俊宏・社長は、今回の人的資本増強を通じて「従業員のモチベーションを高め、スキルアップやイノベーションを推進することを目指しています。一人ひとりの挑戦と行動を促し、『個の成長』の加速と『個の稼ぐ力』を強化し、組織全体の成長につなげます」とともに「さらに、社員が自己実現できる職場環境を構築に取り組む」などと述べている。