バイクユーザーがバイク販売店の営業時間内に電話をかけても「つながらない!」といった声が挙がっている。一方、販売店側では「人手が足らず、店舗の電話に出られない」といった状況が伺え、人手不足が緊迫する。こうした状況では販売店はもとより、輸入元を含めた車両メーカーにとってはイメージ低下、販売への影響は避けられない。販売店の人手不足が一層深刻になる中、将来的な販売店での人手不足の解決策はあるのか。これまでの販売体系・販売プロセスも変わるのか。
9月中旬の昼間、メーカーとしての高い品質などを提供するというブランド専売店の営業時間に、ユーザーが電話をかけると呼び出しベルが鳴っているにもかかわらず、一向に電話口に出ない状態が続いたという。こうした状態を放置すれば、顧客離れが起き「お客様第一主義」とはいかなくなる。特にメーカー系のブランド専売店ともなると、メーカーにとってもマイナスであり、顧客満足(CS)向上どころではない。
販売店サイドでは店舗の定休日を週休2日にして、このうち定休日の1日を隔週で全従業員を動員し、車両点検や整備などのアフターサービスの作業に充てるといった販売店も少なくない状態だ。
一方、国内の排気量251㏄以上のクラスの、軽二輪と小型二輪の保有台数は、両クラスを合わせた合計が約400万台、原付が約600万台で合わせると約1100万台が存在する。特に保有台数が増加しているのが251㏄以上の車両が増加傾向を示している。
これに対し販売店の規模は、国勢調査のデータを基とする「経済センサス」では、最新データの令和3年では統計制度がより詳細になったため前回調査の平成28年の結果とは比較が困難なため、ここでは平成28年(2016年)までの統計を取り上げる。これによると原付車を含む二輪小売業における2002年の事業所数は1万2458事業所に対し、従業者数は3万4374人で1事業所あたりの平均は2.76人あったが、2016年時点では7698事業所に対いし、従業員数は2万1652人で1事業所あたりの平均が2.81人と若干増えている。