多くのバイク販売店が、ユーザー支援と自店の収益を上げるチャンスを逃している。循環型マーケットデザインを展開する株式会社オークネットの子会社である、株式会社オークネット・モーターサイクル(オークネットMC)は、バイク販売店の経営・運営業務を総合的にサポートする。同社の総合的支援サービスはバイク店にとって「どの様なサービスがあるのか?」、それは「なぜ有効なのか?」「メリットは?」について取り上げる。
これまで中古バイクオークション「i-moto-auc」での数々の支援、利用メリットについて取り上げてきたが、今回は同社の主要事業の中古バイクオークションでの、昨今の流通状況や成約率の割に出品台数が多い要因、バイク店への影響などについて取り上げた。
同社への高い信頼・オークションシステムでの高い信頼性が挙げられる。中古車市場では昨年、四輪業界での不祥事が各報道により明るみに出て社会的に問題視され、グレーの業種イメージが強調された。バイク業界でもユーザーとの売買において中古バイク販売でのトラブルが少なくない。そうした中古バイクのイメージは、中古バイクを取り扱う企業自身の信頼をいかに高めるかが重要になる。
オークネットMCの親会社であるオークネットは、2017年3月に東京証券取引所プライム市場に上場している。株式市場に上場しているか否かは別にしても、それ以前に当然ながら同社にとっては法的にも社会的にも認められない行為は行われることはないものの、それでも市場や第三者による同社への目は厳しいものといえる。それにより同社では市場の監視の目以上にクリーンな活動への展開を心掛け、市場からの信頼を心掛けている。
企業としての信頼を高める行為や活動は、オークネットMCでも同様だ。主力の中古バイクオークションの「i-moto-auc」では、出品車両の検査と評価は、四輪業界でも全国的に評価され信頼を得ている検査専門会社のAISが行っている。さらに同社のオークションは、現物の車両下見せずに売買するインターネットオークションのため、車両検査の評価と、車両情報には徹底して詳細な情報を買い手に提供している。
そもそも同社の現在のオークションシステム「i-moto-auc」は、1985年に親会社のオークネットが世界初の中古車TVオークションを電話回線とレーザーディスクを活用し四輪オークションをスタート。1989年には衛星通信を活用した新たなオークションサービスを提供し、現在のつい通信網のインターネット回線に時代とともに移行させ、オークション開始当初の早い段階から出品車両の情報に高い信頼性を追求してきたことが挙げられる。こうした出品車情報の信頼性についての歴史や取り組みでは、他社に先駆けて取り組んできたといえなくない。
さらに、出品のために車両を会場に持ち込む手間がない。オークネットMCのバイクオークションへの出品では、現車会場とは異なり、出品のためにわざわざ車両をオークション会場に持ち込む必要がないことで出品が容易な環境となっている。これにより出品店は時間的に拘束されずにすむことで出品店にとっては参加メリットが大きい。
また、買う側の落札店も各地に設置される全国に80を超えるうちの、近隣のデポまで落札車を引き上げに行けばよいだけで、遠方のオークション会場まで車両を引き上げに行く必要がないことで、落札店も時間的なメリットは大きいものとなる。こうした出品しやすさ、落札しやすさが、さらに出品を呼んでいる。
また、地方のバイク店も参加しやすいため、全国各地にまんべんなく参加会員店が存在する。同社のオークションはインターネット上だけで取り引きを行うため、店舗にいながら売買ができる。同時に地方の販売店でも参加しやすいことで全国各地、地域限定の壁がなく取り引きが可能であることも、出品台数を後押しする。
車両仕入れの落札店側でも同社オークションでは、出品車両検査での評価が4点以上の車両が、高い確率で成約される。先に挙げたように同社オークションでは、車両情報のみで応札・落札してもらうため落札店側では、傷や不具合が少ない比較的に良質な車両を確実に仕入れたいとする落札店も多く、4点以上の評価車両がその境と判断する落札店が少なくない。従って、同社のオークションでは成約率が高いとは言えないものの、出品店側も値づきが良く落札されやすく比較的に高額で落札される良質車が積極的に出品されていることで、同社のオークションでは出品台数が成約に対して多くなっていることが挙げられる。
さらに、出品店にとっては、大手バイク店や各地域の有力店が出品参加しているほかに、近年では海外需要が円安により落札が活発化しており、多くの海外への輸出業者も落札で参加。これにより出品店サイドでも積極的に良質車を中心に出品していることもあり、出品台数は毎開催で安定的に推移している。
ただ、同社オークションでは出品台数が安定しているだけではない。出品車の内容が比較的に良質なことで、成約台数、成約率も昨今では増加、上昇している。同社オークションでは昨年の月間出品台数の平均は4806台で、成約台数の平均が2234台で成約率は47.2%であったが、今年10月までの平均出品台数では同4777台で、成約率は前年よりも大幅に増加しており2569台となり、成約率も55.5%の上昇。
今年の10月17日の同社オークションでの記念開催では、出品斎数2531台が集まり、今年の最高の台数となった。さらに通常では出品台数が多い場合は、特に人気車両では応札が分散することで、成約台数や成約率も高まりづらいが、同開催では積極的な応札を受け成約台数も1066台を上げて比較的に高まった。
こうした状況から同社のオークションでは、出品店もさることながら、落札店にとっても良質車の仕入れでは利用価値が高いといものとなっている。