千葉オートバイ事業協同組合専務理事/読売自動車大学校非常勤講師 歌代徹氏
本コーナーでは、オートバイ販売や販売店スタッフの育成、運転指導員などと、オートバイ販売事業を軸とした販売事業の側面で様々な活動を行う、千葉オートバイ事業協同組合・専務理事、および読売自動車大学校・非常勤講師を務める歌代徹(うたしろ とおる)氏の、多義の活動から「俯瞰で見えるオートバイ販売」について連載していきます。
一般的にオートバイショップの運営は少人数で行われていることが多いと思います。そのためスタッフの仕事の範囲は多岐にわたり、購入希望者のお客様の対応(営業)から、販売車両の点検整備や中古車両の点検整備、保険加入者への対応、ショップ独自のイベント企画や運営、そうしたことにまつわる資格取得を含めた勉強など、スーパーマンでないとできないようなことを皆さんされていると思います。
日々の業務を「これで正しいのか?」、「お客様に満足感を提供できているのか?」など、考えながら仕事をされているスタッフの方は多いと思います。しかし、ルーティンワークで、いつものことをいつも通りにしかしていないスタッフの方の場合は、果たしてお客様に満足感を与えられていると言えるのでしょうか。
売り上げを上げ、引いては自分の給料を上げていくためには、何かプラスアルファをお客様に提供していく必要があると思います。忙しい中でも、お客様の安全や安心を思い、お客様からいろいろなことをお聞きしながら、お客様に合ったサービスを提供できれば、自店や自分のファンになって頂くことができ、長いお付き合いができるようになると思います。
複数のスタッフがいる場合は、自店や自社の理念を決めて、皆が同じサービスを提供できるようにしていくことも大事です。サービスの内容は、決してたくさんはいらないと思います。お客様に依頼されなくても、目の前で「灯火類の点検」や「空気圧の点検」などを行うだけでも、充分アピールできると思います。お客様が急いでいる場合は仕方ありませんが、お声掛けをするだけでも違うはずです。自分がしてもらったら嬉しいことを何か探して、お客様に提供し、実行して行くこと(時間を作ること)が、引いては仕事の効率化も図ることになり、長い目で見て売り上げや給料に影響して行くことになると思います。
ちょっとした気遣いをしてみてはいかがでしょうか。
■歌代徹(ウタシロトオル)氏の経歴
1980年にオートバイ販売店で働き始め1999年に有限会社ウタシロとして独立。2008年に二輪車専門整備工場の認証取得、千葉オートバイ事業協同組合に設立当初より加入し理事を経て、現在は専務理事に就任。一方2007年より自動車整備専門学校(読売自動車大学校)の非常勤講師として実習授業担当、同時期に二輪車安全運転指導員として活動を開始、2009年に二輪車安全運転特別指導員資格取得。資格は職業訓練指導員(自動車整備科)、国家二級整備士(二輪、ガソリン、ジーゼル)、二輪車安全運転特別指導員、二輪車品質評価者、有償運送講習講師。