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川崎重工、過去最高を大幅超え  24年度連結業績  二輪関連の利益前年並み  25年度、二輪販売増見込み

川崎重工、過去最高を大幅超え  24年度連結業績  二輪関連の利益前年並み  25年度、二輪販売増見込み

2025.05.15

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川崎重工、過去最高を大幅超え  24年度連結業績  二輪関連の利益前年並み  25年度、二輪販売増見込み

川崎重工業2025年3月期、2024年度の連結業績は、売上と事業利益で予想を上回り過去最高を大幅に超えた。二輪を含むスポーツ&エンジン事業は世界全体での売上高、販売台数が前年度よりも増加したが、事業利益で若干下回った。

 

同社グループ連結の受注高は前年期に比べ5472億円増加、予想比で707億円増加の2兆6307億円。売上収益は同2800億円増加、予想比では307億円少ない2兆1293億円。事業利益が同969億円増益、予想比で131億円増益の1431億円で、このうち為替による変動で228億円あった。親会社の所有者に帰属する当期利益は同626億円増益、予想比では100億円増益の880億円であった。事業利益率は6.7%、ROE(自己資本利益率)は13.2%となる。

 

経営環境では、国内は好調な雇用・所得環境や設備投資の拡大、インバウンド需要の増加などで緩やかな景気回復がみられるが、米国関税政策やサプライチェーンの変化や金融市場の急激な変動など、先行きの不透明感が高まっているとしている。

 

こうした中で業績結果の主な要因として、受注高は航空宇宙システム事業、車両事業、エネルギーソリューション&マリン事業などでの増加を挙げる。売上収益では航空宇宙システム事業を中心に各事業の増収により、前期比で増収となった。利益については、事業利益は航空宇宙システム事業、精密機械・ロボット事業での改善やエネルギーソリューション&マリン事業での増益などにより前期比で増益。親会社の所有者に帰属する当期利益は事業利益の増加などにより前期比で増益となったという。

 

 

事業別の業績では、二輪を含むパワースポーツ&エンジン事業の売上収益は前年期169億円増収の6093億円、事業利益は前年期480億円並みの478億円であった。主に米国政権による関税政策の影響が懸念されたが、売上収益はリコールや生産遅延などの影響で、北米向け四輪車が一時的に減少したが、二輪車の増加と円安が収益を押し上げた。事業利益では増収はあったが、増産投資による固定費の増加などで前期並みとなったとする。

 

航空宇宙システム事業は、受注高は前期比1902億円増加の8828億円、売上収益が1716億円増収の5678億円、事業損益では増収などにより前期比708億円改善し558億円であった。車両事業では受注高が前年期に比べ1627億円増加の2515億円、売上収益が前年期に比べ263億円増収の2223億円、事業利益は前年期に比べ46億円増益の84億円。

 

エネルギーソリューション&マリン事業は受注高が前年期に比べ1403億円増加の5420億円、売上収益は前年期に比べ448億円増収の3981億円、事業利益が前年期に比べ123億円増益の442億円。精密機械・ロボット事業の受注高は前年期に比べ359億円増加の2492億円、売上収益が前年期に比べ135億円増収の2415億円、事業損益は前年期に比べ89億円改善して70億円の利益を上げた。その他事業では売上収益が前年期に比べ66億円増収の901億円、事業利益は前年期に比べ41億円増益の52億円であった。

 

二輪の地域別卸売販売台数は、世界全体で前年期比8.1%増加の48万台であった。先進国の日本は同16.1%減少の2万6000台、北米が同23.4%増加し11万6000台、欧州は同6.6%増加の8万1000台、その他が同25.0%増加し1万台。フィリピンやインドネシア、中南米、その他の新興国は同5.6%増加し24万6000台であった。

 

 

◆2026年3月期である2025年度の見通し

売上収益は前年期比1807億円増収の2兆3100億円、事業利益は同19億円増益の1450億円、税引き前当期利益は同750億円増加の1150億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は同60億円減少の820億円、ROEは11.0%となる見通し。米国関税政策の影響については、主にパワースポーツ&エンジン事業に生じる見込みだが、政策動向や経済情勢が先行き不透明であることから、本業績予想には含めていないとする。為替レートは1ドル140円、1ユーロが155円としている。

 

このうち二輪を含むパワースポーツ&エンジン事業の見通しは、売上収益が前年期507億円増収の6600億円、事業利益は前年期2億円増加の480億円とする。二輪の卸売販売台数は、世界全体で前年期比5.2%増加の50万5000台を見込む。日本を含めた先進国が前年期比6.8%増加の25万台、新興国で3.7%増加の25万5000台としている。

 

 

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