スズキは2024年3月期の通期予想を上方修正した。売上高で初の5兆円を見込む。今期の今年4月から6月の第1四半期連結決算では増収、増益とし売上高では3期連続で過去最高を上げた。
◆2024年3月期の第1四半期連結業績
売上高は前年同期比13.7%増加の1兆2089億円を上げ3期連続で過去最高とした。本業の儲けである営業利益は同33.9%増加し998億円で3期連続の増益とし、経常利益は2期ぶりに増益となる同20.3%増加の1080億円、親会社株主に帰属する純利益も2期ぶりの増益で同15.1%増加の671億円であった。
売上高はインフレ対応にともなう値上げ、インドでの新型SUV投入によるミックス改善効果が功を奏した。 半導体不足にともなう減産の影響が緩和し、販売台数も増加し為替影響などでも増加を後押しした。営業利益は台数増加、為替影響、売上構成変化などの改善、原価低減努力などにより固定費と減価償却費の増加を吸収し増益とした。
主な主力の事業では四輪はインドや欧州、日本での販売台数の増加、為替影響で固定費の増加を吸収し増収増益とした。二輪車は減益であったものの、利益率7.5%を確保した。主に在庫圧縮や値上げによる収益改善や体質改善が進んだ。マリンは欧米での船外機需要減少により減収となった。
◆二輪事業の業績
売上高が前年同期比0.2%増加で1億円多い864億円であった。このうち為替の影響で14億円増加となり、営業利益は22.4%減少の64億円であった。このうち国内での売上高は同10.7%減少の55億円であった。
世界全体での販売台数は、ATVを含め前年同期比1.5%増加の47万9000台であった。日本での販売台数は同12.1%減少し1万2000台、欧米が同33.4%増加の1万3000台、北米は同9.0%減って1万台、インドが同15.4%増加して19万3000台で、そのほかのアジアは同6.4%減少の20万2000台、中南米他が同10.2%減少し5万台であった。
◆通期業績予想を上方修正
来年の2024年3月期の業績予想では、前回予想よりも売上高1000億円増加で、前期比7.7%増加の5兆円を見込む。営業利益でも前回予想より300億円増加で前期比では2.7%増加の3600億円、経常利益では前期比では3.3%減るが、前回予想より300億円増やし3700億円、当期純利益は前期比では5.0%減らすが、前回予想よりも200億円増やし2100億円を見込む。為替レートは米ドル134円、ユーロが148円、インドルピー1.64円とする。
二輪の販売ではATVを含む世界全体で、前回予想よりも2万2000台少ないが、前期比では3.2%増加の191万9000台を見込む。一方で、日本国内の販売台数は前回予想と変わらず、前年同期比では20.8%増加の5万5000台を予定する。