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【特集】昨年「バイク楽しんだ」ファン、前年比で減?   東京・大阪MCショー来場数から視て

【特集】昨年「バイク楽しんだ」ファン、前年比で減?   東京・大阪MCショー来場数から視て

2025.01.27

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【特集】昨年「バイク楽しんだ」ファン、前年比で減?   東京・大阪MCショー来場数から視て

昨年の2024年、「バイクを楽しんだ」ファンは、前年よりも減少したとみられる。バイクファンが楽しんだバロメーターの一環として、東京・大阪モーターサイクルショーでの来場数を目安として、本サイトでは「バイクを楽しんだ」ライダーが、その年にどれだけ増えたのか、増減を取り上げてみた。

 

国内モーターサイクルの祭典である2大ショーの2024年の合計来場者「バイクを楽しんだ」ファンは、前年に比べ12.8%の減少となる。ショーの開催日の天候にも左右されるものの、天候要素は除きその年にバイクを楽しめたファンの増減割合とした。天候の理由よりもバイクを「楽しめたか。そうでないか」に重点を置いたもの。

 

過去10年を取り上げると、2015年以降2019年までのショー参加者は増加傾向を示した。ただ前年に比べるとやや伸び幅が縮小して推移した。2020年、2021年は新型コロナ蔓延防止のため開催が中止された。しかし、将来バイクを楽しもうとするユーザーが拡大し二輪免許取得者が増加。一方で、バイクファンも外出禁止や外出を控えるといったことから、外出への意識が増す中で、コロナが収縮した2022年には蔓延防止対策を行う中で、再び開催された。ただ、コロナ感染を懸念するユーザー意識も強く、2019年に比べて2022年は29.4%の減少で、今ひとつ楽しんだとは言えない状況であった。

 

2023年ではコロナがさらに収縮傾向を示し、2022年に比べ2023年では前年比36.3%の大幅な増加となった。同年5月にはコロナが5類に指定されたことで、多くのユーザーが抑えていた行動が一機に市場にあふれ出た。ただ、2024年では前年を大きく下回ったもの。

 

 

2024年の減少は、天候の影響もあるが、それ以外にも要因があるものとみられる。2024年の126㏄の軽二輪以上のクラスの合計販売台数は、コロナ前の2019年に12万4815台で、2024年はそれよりも多い14万5181台で新型コロナ前よりも拡大している。ショー開催日に天候が良ければツーリングなどで楽しんだファンも多いため一概にショーの来場者だけでは楽しんだかの判断は困難といえるのは承知している。

 

しかし、バイクファンといってもバイク意外で楽しむユーザーも少なくない。旅行や買い物、他の趣味などで時間を楽しむバイクファンも多い。この様にみるとバイクの楽しみの競合は、異業者といえる。バイクファンの24時間、365日の中で、いかにバイクに接してもらう時間を増やしていくのかということであろう。

 

国内人口が減少している市場にあっては、バイク市場の販売台数の増減は、モノとしてのバロメーターであって取り上げてもナンセンスともいえなくない。誰もが「モノ」から「コト」「ココロ」の時代に変化していることは理解されている。こうした視点で先にも挙げた、ショーでの来場者数でバイクファンが楽しんだのかを判断することは困難であるものの、現在、来場者数で判断する以外に、バイクファンが楽しんだことを少しでも判断できる材料が、ショー来場者数以外に見当たらないことを理解してもらいたい。

 

趣味への思いは「行動にでる」と思われる。従って、少なくても各車両メーカーや海外メーカーの輸入元が主催した、バイクファン向けのライディングスクールや試乗会、各種ミーティングなどのイベント来場者数の合計を「バイクを楽しんだ」ファンの目安としたいものだ。また、今年の東京・大阪モーターサイクルショーの来場者の増加に期待したい。

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