ホンダは陸、海、空、そして宇宙領域に至るまで、幅広いモビリティを展示。宇宙ロケットの研究開発の実験機、電動化時代に向けた次世代EVでは四輪車コンセプトモデルをはじめ、市販予定などを披露。二輪でも2030年のEV化に向けたコンセプトモデルを提案したほか、市販予定機種も展示した。
四輪では来年、グローバル市場への投入を予定するEV「ホンダ0(ゼロ)シリーズ」では、「0 SALOON」(サルーン)、「0 SUV」、「ホンダ0 α」(アルファ)のプロトタイプを世界初公開した。
二輪車ではこれまでの二輪とは異なる、2030年以降の新たな次世代の二輪車コンセプトの「EV OUTLIER Concept」(イーヴィー アウトライヤー コンセプト)、「EV urban Concept」(イーヴィー アーバン コンセプト)を披露。前後両輪にインホイールモーターの採用で、パーツレイアウトの自由度が広がることで低重心なスタイルを実現したという。
市販モデルではEVスクーター「CUV e:」(シーユ―ヴィー イー)を展示。同機種は交換バッテリーのHonda Mobile Power Pack e:」を動力にした原付二種モデル。発売前より注目・話題で人気沸騰中の「CB1000F SE」など市販レベルの新型モデルを展示した。
航空機では高い評価を得ている「HondaJet EliteⅡ」の実物大の模型を展示。同社は地球の空に止まらず、宇宙領域にも挑戦。すでに今年6月に実験を行ったサステナブルロケットも披露した。

EV OUTLIER Concept

EV urban Concept

市販モデルのEVスクーター「CUV e:」

CB1000F SE(左)

CB1000F SE


今年6月の実験機、サステナブルロケット
◆ブリーフィング/三部敏宏・社長
「今年のブースには、陸、海、空、そして宇宙領域に至るまで、幅広いモビリティを展示しています。電動化時代に向けた次世代EVでは、ホンダは2050年に『ホンダの関わる全ての製品と企業活動を通じたカーボンニュートラル実現』という高い目標を掲げて取り組みを進めています。現在、電動化を取り巻く市場環境は不透明な状況が続いていますが、長期的にはEVシフトが進むと考えています。来る電動化時代に魅力あるEVをお届けするために、着実に準備を進めています」
「0(ゼロ)シリーズは、クルマづくりの原点に立ち返り、ゼロから独創的な発想で創り出した次世代EVシリーズです。『Thin, Light, and Wise.(薄い、軽い、賢い)』という独自の開発アプローチにより、EVは“厚くて重い”という従来の常識を覆し、全く新しい価値を創出します。『ホンダ0 SALOON』は、フロア高を抑えたEV専用プラットフォームにより、低全高でスポーティーなスタイルと、外観からは想像できないほどの広い室内空間を両立。『ホンダ0 SUV』は、シリーズの第一弾として発売予定の中型SUVのプロトタイプで『Thin, Light, and Wise.』のアプローチをSUVに適用することで、空間の広さを一層広げ、開放的な視界と自由度の高い広々とした室内空間を実現しています」
「これらのモデルは、独自のビークルOS『ASIMO OS』(アシモ オーエス)により、購入後もさまざまな機能が進化し、使えば使うほどクルマがパーソナライズされ、一人ひとりに“超・個人最適化”された移動体験を提供します。本日、ホンダ0シリーズの新たなSUV『ホンダ0 α』(アルファ)のプロトタイプを世界初公開。このモデルは、ホンダ0シリーズならではのスリークで洗練されたデザインと、SUVらしい力強さを表現した独創的なプロポーションの2つを併せ持ち、都市にも自然にも美しく調和し、人々に寄り添う存在として、あらゆるシーンで活躍します」

三部・社長
「『Thin』の思想に基づいたパッケージ設計により、低全高なスタイルとロードクリアランスを両立し、薄型のキャビンでありながら広々とした快適な室内空間を実現しました。0αの量産モデルは、2027年から日本やインドを中心にグローバルで販売を予定。日本では、ホンダ 0 SALOON、0 SUV、0 αの3つのラインアップを、2027年度中にお届けします」
「Acuraブランドの次世代EV『Acura RSX Prototype』(アキュラ アールエスエックス プロトタイプ)を日本初公開しました。独自の『ASIMO OS』を搭載し、ユーザー一人ひとりの好みや運転行動を学習して“超・個人最適化”された移動体験を実現します」
「電動二輪車では、『EV OUTLIER Concept』を世界初公開しました。このモデルは、既存の延長線上ではなく、2030年以降の二輪車の新しいあり方を提案するコンセプトモデルです。電動車ならではのレイアウトの自由度の高さを生かし、前後両輪にインホイールモーターを採用することで、ダイナミックでロープロポーションなスタイルを実現しています。ホンダは二輪車においても、電動化を通じて今までにない新しい価値を生み出していきます」
「世界初公開の『Super-ONE Prototype』(スーパー ワン プロトタイプ)は、日常に新たな刺激と高揚感をもたらす、Hondaらしい遊び心に満ちた小型EVです。Nシリーズとして進化させてきた軽量なプラットフォームを活用し、軽快でキビキビとした走りを実現しました。さらに、左右に張り出したブリスターフェンダーによってトレッドを広げたワイドなスタンスが、安定感のある力強い走りを可能にします。Super-ONEは、2026年より日本を皮切りに、アジア各国や英国など、小型EVのニーズの高い地域に展開していきます」
「PRELUDE」(プレリュード)」は、Hondaが長年磨き上げてきたエンジンやハイブリッドの技術を詰め込み、本格的な電動化時代へ『操る喜び』を継承するモデルです。今のホンダを象徴するような粋なクルマを作りたいと、強いこだわりを持って開発しました」
「ホンダは、さらに次世代のモビリティとして、ラストワンマイルを手軽に移動できるマイクロモビリティや、空の移動を身近にするeVTOL(イーブイトール)など、『自由な移動の喜び』を広げていく挑戦を続けています。そして今、ホンダの挑戦は、宇宙へと広がっています」
「2025年6月に北海道で行ったロケットの離着陸実験に使用した実験機の機体を展示しています。ホンダが目指すのは、再使用可能な機体と、再生可能燃料を使った、環境負荷の低いサステナブルロケットです。2025年6月の離着陸実験では、離陸から着陸まで姿勢や速度を正確に制御し、計画通りの動きを実現しました。この成果は、自動運転や航空機開発で培った制御技術をはじめとするHondaの技術の総合力、そして現場で粘り強く挑戦を続けてきた従業員一人ひとりの情熱によるものです。ロケットの研究開発はまだ始まったばかりですが、Hondaは、どんな困難があっても、諦めずに乗り越えていきます」
ホンダは、グローバルブランドスローガンである『The Power of Dreams — How we move you.』の理念のもと、夢や情熱を持った従業員一人ひとりが、ホンダの未来を切り開き、他にはない価値を生み出すことを目指して、挑戦を続けています」



