SHOEIはオフィシャル会員サイト「my SHOEI」のスマートフォンアプリを開設、ユーザーの利用を開始した。同社は同アプリで、それまで以上に多くの製品購入者へ確実に保証などのサービスが提供できるようするほか、顧客との持続的関係の強化に取り組む。
同社は2021年10月に顧客へのサービスを集約したmy SHOEIという総合会員ウェブサイトを開設。ユーザーに購入したヘルメットなどの情報を登録してもらうことで、より製品保証などのサービス提供強化。さらにスマホの利用者が多いことからスマホ専用アプリを開設し、それまで以上に顧客が手軽に登録などを行えるようにした。
my SHOEIアプリでは製品情報はじめ、製品マニュアル、SHOEI正規販売店の検索では地図上に店舗を表示し案内、店舗での取り扱いモデルも確認可能にし、フィッティング、オンラインストアなども確認、利用などができる。今後はアプリのバージョンアップなどで、保証書登録手続きの簡略化や新しいコンテンツの導入も予定しているという。
【格段に、顧客との関係を深く・長く継続可能へ】
部品用品メーカーのほとんどが、これまで自社の顧客は「誰か」「どこに居るのか」「購入製品は何か」などの情報を把握できなかった。メーカーは自社製品の顧客との間に、製品を主体に卸業者と販売店の中間業者が存在するため、自社の顧客と直接的に関わり、顧客情報の把握は困難であった。それまでは唯一顧客接点であった販売店が顧客情報を収集し、さらに卸を通じてメーカーは顧客情報を集めなければならなかった。これには販売店と卸業者に顧客情報の収集のための理解と作業を得るのには容易ではなく、コストも膨大にかかるからだ。
しかし、インターネットの発展とスマホとアプリの普及で、メーカーとして念願であった自社の顧客と「直接関係が持てる」体制が構築できるようになった。
SHOEIはウェブサイトmy SHOEI開設に加え、スマホアプリの追加で登録ユーザーが格段に広がり保証などのサービス提供か格段に高められるものと思われる。特にアプリの追加で若年層顧客の利用に期待が持てる。アプリで自社の製品購入者に確実に保証の約束をするためのものだ。
その一方で、同社では購入者が何時、どこの店舗でどの製品を購入したかを把握できる。さらに安全の観点から製品保証期限の3年が近づく時期も顧客ごとに確認できるため、顧客に保証期間切れのお知らせと次期製品の購入を促すことができ、アプリの開設ではこれを一層加速させることができる。
また、モデル購入者別に同様タイプの次期モデルの発売情報なども提供でき、買い替えの促進やマーケティング機能が働く。
顧客の頭部に、よりフィット感を提供するフィッテイングシステムでも、顧客個々に使用パッドのデータが収集できるため、顧客が新たに製品を購入する際は、顧客が店頭で使用パッドのデータを検索し確認してもらうことで、新たに購入する際に前回の使用データが即確認でき、再度フィッティングのための時間が省けて、顧客も購入のための時間が短縮できるメリットは大きい。
こうした顧客にとって気の利いた有益な情報と同社の取り組みを基に、顧客との長期的な関係の構築が維持できるようになる。
ただし、同社では顧客情報を収集し蓄積していくが、こうした情報は販売店では顧客がIDを店頭スタッフに知らせて確認したい場合のみ顧客が閲覧でき、販売店スタッフが勝手に閲覧することができないようにしている。店頭で顧客が自身の情報を確認する場合のみ検索、確認できるように個人情報には最善の注意を払っている。
また、同社のアプリでは個人情報保護に関する法律や関連法令の遵守などにより、顧客の位置情報や他のアプリの使用状況などの情報を得ることは行っていない。
アプリの開設でマーケティング分野での活用の一方で、アプリでの顧客の利用メリットを充実させることが最重要としている(担当者)。さらに、同社と卸などの代理店、販売店の3者が連携して顧客から請け負った製品の補修修理では、作業段階などの進行状況の確認ができるシステム構築も計画している模様。同社はこうした分野でも顧客への安心に注力を注いでいる。