6月の軽二輪(126~250㏄)の販売台数は前年同月を超えた。一方、小型二輪(251㏄超)の販売台数は前年月割れであった。全国軽自動車協会連合会のまとめたデータでみると、両クラスとも銘柄により明暗が分かれた。
◆軽二輪(126~250㏄)販売台数
6月の販売台数は前年同月に比べ2.1%の増加となり7326台であった。5ヵ月ぶりの前年同月越えとなる。前月の5月の6102台に比べても、20.0%の増加となる。1月から6月までの累計台数では、前年同期に比べ8.8%少ない3万5204台となり減少幅を縮めた。
銘柄別ではホンダが前年同月に比べて53.9%増加して4838台であった。ホンダの1月からの累計販売台数は、前年同期比13.3%の増加で2万0154台となる。ホンダが5月に続いて6月でも大幅な増加で、6月全体の販売台数のうち66%を占めた。
ヤマハは同36.4%減少の827台であった。ヤマハの累計では同18.5%少ない5249台となる。スズキが同47.6%減少して688台で、累計台数では同41.7%減少の4056台。カワサキは同36.8%減少して518台で、累計台数は同35.3%減少で2966台にとどまる。輸入車などが含まれるその他は同23.9%減少の455台で、累計台数は今年初めて前年同期を割り2.1%少ない2779台となる。
軽二輪クラスは、ホンダだけが毎月の累計販売台数で前年同期を上回って推移している。他3銘柄は毎月前年月割れで、累計でも前年同期比マイナスで推移している。
◆小型二輪(251㏄超)販売台数
5ヵ月連続して前年同月割れとなった。銘柄ではスズキとカワサキが前年月を超えた。一方で輸入車などのその他が最も前年月を超えたのが特徴として挙げられる。6月は軽二輪で大幅な増加としたホンダが小型二輪では前年割れが続く。また、ヤマハも3ヵ月連続で増加してきたが6月は大幅な減少となった。
6月の販売台数は前年同月に比べ12.7%の減少で9086台であった。だた、前月の5月の8035台よりも13.0%のとなる。1月から6月までの累計台数では、前年同期に比べ12.7%少ない4万4567台となる。
銘柄別の販売台数は、ホンダが前年同月に比べ18.3%減少の2052台で、累計台数では前年同期に比べ26.0%減少の1万1211台となる。ヤマハは同46.5%減少となる665台とし、累計台数は同13.3%減少の4778台となる。スズキが同6.6%増加の696台で、累計台数は同7.6%減少まで縮小し3647台。カワサキは前月に続き増やし同8.1%増加の2314台で、累計台数では同18.4%減少の1万0436台に徐々にマイナス幅を縮小。
輸入車などのその他では同17.9%の増加で3359台となり、単月では過去最高の販売台数となる。これまでの最高は2007年4月の3190台であった。累計台数は同6.3%の増加で1万4495台となる。特にJAIA(日本自動車輸入組合)の6月の販売統計では、トライアンフモーターサイクルズが前年月比で42.7%増加の2448台、BMWも17.2%増加で2969台、KTMも15.2%増加で691台、インディアンモーターサイクルが29.2%増加で208台、ロイヤルエンフィールドは746台と各銘柄で大きく増加した。
◆オートバイ流通新聞の視点
今年も前半が終了し、軽二輪、小型二輪の両クラスは、昨年とは逆の市場となった。軽二輪では昨年はコロナの影響で生産が進まず輸送での影響もうけるなど、国内事情では出荷が低調であったが、今年は新車の出荷が拡大傾向にあるものの、6月までの累計販売台数は前年同期割れが続いた。
一方、小型二輪は昨年では需要が高まり記録的な販売をみせたが、今年は低調に推移。特にホンダの低調の影響が大きく、加えて他の銘柄でも伸び悩んで推移した。他方で輸入車が比較的に好調となった。輸入車では本国による生産が高まり、多くの銘柄で入荷状況が改善、拡大している模様だ。
今年後半についても、比較的に国産メーカーの販売は昨年との比較では低調に推移するとみられる。いまや各銘柄でメーカー専売店化が進み、市場全体の販売増減よりも自社の限られた販売網の中での増減の方が重要になってきているものと思われる。その一方で、メーカーは自社ブランドでの新規需要の拡大への役割、取り組みが重要であるといえるだろう。