
ホンダは社外一般までアイデアの募集を広げ、企業支援を行う。募集分野はカーボンニュートラルやモビリティ、ロボティクス、生産・製造技術としており、将来的に見込めるアイデアには、ホンダの技術などのアドバイスや出資、出資などを行い個人の夢の実現を支援して新たな事業、起業に育てる。
同社は2017年に社内の従業員からアイデアを募り起業する「IGNITION」というプログラムを行ってきた。これまでに社内従業員のアイデアに支援したのは、視覚障がい者向けナビゲーションシステムを手掛ける「Ashirase」や、立ち乗り三輪モビリティの「ストリーモ」を起業させ、自転車を電動アシスト化・コネクテッド化するサービス「SmaChari」も社内で事業化してきた。さらに今年は、海洋情報モニタリングプラットフォーム事業を展開する「UMIAILE」も起業するという。
今回は、これまでの社内従業員にとどまらず、一般の個人を対象にアイデア・技術、生産技術などの分野で、熱い想いを持つ者を募り、募集範囲を広げた。背景には、市場での競争激化やITなどによる急速な技術の進化の一方で、人手不足が加速していく中で、自社のこれまでの事業領域を超えた新たな事業開発を目指すものとみられる。
ホンダは同プログラムの説明会を、オンラインで5月15日、19時~20時30分に実施。オンラインで6月15日までアイデアを募集。その後選考を行い決定と進める予定。
近年では、人口の減少により従業員確保も困難な時代となり、当然、限りある従業員からの課題解決や企画、アイデアも限界があることから、一部の企業では、斬新なアイデアなどは社内ではなく、社外にこそ存在するともいわれ「アイデアソン」(アイデアとマラソンを合わせた造語)といった、社外からのアイデアを多数の参加者でアイデアに磨きをかけて事業などを実現化に向けて進めるといった手法の展開がとられている。