
循環型マーケットデザインを展開する株式会社オークネットの子会社である、株式会社オークネット・モーターサイクル(オークネットMC)は、業者用中古バイクオークション「i-moto-auc」で、たびたび特別企画を展開している。今年1~3月までの期間には「出品料の無料」を実施しており、バイク店にとってはシーズン前の閑散期とはいえ、出品料無料サービスを利用する好機といえる。
オークネットMCは、中古バイクオークションシステムの「i-moto-auc」を柱に、バイク販売店の経営・運営業務を総合的にサポートする。同社の総合的支援サービスはバイク店にとって「どの様なサービスがあるのか?」、それは「なぜ有効なのか?」「メリットは?」について取り上げる。
同社の中古バイクオークション利用での特別企画として、1月9日~3月27日までの全12開催で、新規出品限定特典として、毎月2台「出品料を無料」を展開している。通常、車両1台あたりの出品料は、成約につながらなくても4つの会員ランクにより2500~6000円の出品料がかかるが、期間中は条件があえば出品料が無料となる。
出品料無料の条件としては、排気量や成約時の価格に関係なく、毎月2台の新規の出品車までが適用される。新規の出品は、出品車を検査した直近開催のオークションに出品する必要がある。ただし、出品の取り消しなどにより翌週開催への出品となった場合は、出品無料は対象外となる。
また、出品車が落札された場合は、成約料として5万円未満で成約した場合の2500円から、100万円以上で成約された場合には1万6000円かかり、通常では出品料と成約料の支払いとなる。特別企画では2台の出品料が無料で通常の成約料にプラス1000円の支払いで利用できる。
例えば、出品車両が50万円で成約・落札された場合、通常はレギュラー会員が出品した場合は、出品料4000円と成約料9500円の手数料の合計で1万3500円の支払いとなる。特別企画では出品料無料で、成約料として通常の9500円に1000円の加算で、1万0500円の手数料支払いで済み、利幅が拡大するということだ。
ここからが本題になる。多くの会員店では、特に1~2月は閑散期のためオークションに出品しても「値が上がらずに、安く落札される」といった印象があるだろう。しかし、現在は数年前とは大きく異なる。
国内市場だけに目を向けていると2月までは値が付きづらいといった印象が思い浮かぶだろうが、昨今の落札では、輸出会社の会員による落札が全体の半数近くに及ぶ。国内市場が閑散期であっても、目を海外に向けると海外市場には閑散期などとは程遠く旺盛だ。
特に排気量251㏄以上の車両は、財務省による貿易統計では2024年1~10月の輸出(中古のもの)台数は、前年同期よりも増加している。輸出金額では約10%以上も高騰した。この傾向は円安もあって今年も続いているとみられる。
旺盛な輸出もあって、オークネットMCバイクオークションの2024年、年間の平均落札単価は、前年が約32万1000円であったが、2024年は前年比12.7%上昇し36万2000円を超えている。直近の2024年12月の平均単価も36万9000円超えとなっており、高値落札の可能性が少なくない。
また、同社オークションへの出品では、車両持ち込みコストがかからず、出品することで現金化の機会も拡大する。出品して確実に売りたい場合は、国内での人気車両だけを出品するのではなく海外市場での人気車両を視野に入れて出品することで、成約の機会も拡大する。
国内が閑散期だからこそ、出品する場合は海外需要にも視野を広げる必要があるだろう。現在展開する毎月2台の出品料無料サービスは、そうした視点で大いに利用できる。